楽チンプリン


「…プリンが食べたい。でもこれは作ってもらってばっかじゃなくて、自分でも作りたいのよ。だから作り方を教えて。」


毎回、創作料理は奏恵のこういった発言から作られるのだが、今回は少し勝手が違う。何とあの奏恵が"作り方を教えろ"と言っているのだ。


(これは、今日、雨が、降る!!!)


そんな事を思った義彦であるが、窓に映っている景色は晴れ晴れとしている。

雨の予兆を感じさせる黒い雲も積乱雲もなく、なけなしの擦り痕みたいな雲が空に若干見える程度であった。



自分の感覚がおかしいのか、それとも奏恵が料理に対して積極的になったのか…


それが分からない彼は、何故かプリンが食べたくて仕方がなくなった。



__________


*チンプリン


材料(2個分):

牛乳…300ml

砂糖…大さじ3杯

バニラエッセンス…少々

卵…2個

砂糖水…各大さじ2杯ずつ


道具:

耐熱容器(できればプリンカップみたいな透明のやつ)

もう1つカラメル作成用に耐熱容器

レンジ

ボウル

泡だて器

__________



「本当に、レンジで固まるの?」

「卵入ってるから、熱加えると固まるよ」


前の回では、ゼラチンを使ってゼリーを固めたが、プリンについてはまた違った固め方をしなければならない。今回は冷やして固めていくのではなく、タンパク質の凝固作用を利用し、プリンの形を作っていくのだ。


所謂、"卵をゆでたり焼いたりすると固まる"というシステムである。

ちなみに、似たような方法で茶碗蒸しも簡単に作る事ができるのだが、これはまた今回とは違う話である。


「あと、今回はレンジ使うから」

「珍しいわね、レンジ使うって」

「今回はこの方法が楽だから。あと、似たような要領で茶碗蒸しも作れるよ。」

「なるほど」


作り方にも積極的だったからか、奏恵はより真剣に話を聞いていた。


__________


作り方:

①砂糖水を、レンジで1分10秒加熱。飴色になっていなければ少しずつ更に加熱

②ボウルに牛乳、砂糖、卵を入れかき混ぜたら、バニラエッセンスを加えて混ぜる

③①をプリン型用の耐熱容器に入れ、冷ました後に②を流し込む

④③をレンジに入れ1分20秒加熱。開始1分ぐらいでレンジの中を確認し、プリンの上がもっこりしていたら加熱を終了

⑤粗熱を取り、冷蔵庫で冷やして完成


※④の時点で、プリンが全て固まっていなくても上ぐらいであれば粗熱で固まってくれます。

__________



「何これ、簡単じゃない」

「簡単な奴じゃないとやらないじゃないか」


「そもそも、レストランでもないのに毎日食べるモノにそんなに手間かけられないし。だから皆"楽チン"を求めるのよ。」


ごもっともである。手間暇かければいいではなく、簡単に美味しいモノが作れればそれでいいのだ。


その気持ちを忘れない限り、夫婦関係は料理が繋ぎ止めてくれるのだろう。給料袋とか胃袋を大事にしろとは、よく言ったものだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る