牛丼風ピザトースト

「和食のような洋食が食べたい」


これを聞いて、"女は面倒だ"と思うのが大半だろう。しかしこれを好意のある女性に行ってしまった人は即刻アウト!と言っても過言ではない。


その面倒すら愛するべきなのだ。


人間誰しも良い側面と悪い側面があり、それを互いに認め合う事から愛が生まれ、そうして愛が育まれるのだ。妥協を知らない人間に愛を得る資格は無い。


…ちなみにこの作者の悪い側面は、独身の癖にそんな能書きを読者の前で堂々と垂れている点だと理解いただけるであろう。



話を、奏恵のリクエストに戻したい。


"和食のような洋食"、というのも無茶振り極まりないのでは?と考えられる。しかし柔道部で過ごしてきた義彦にとってはその程度の無茶振りなど無茶振りのうちに入らないのだ。あの筋肉を塗り固めた連中はもっと恐ろしい。


…そんな、無茶振りの概念が逝かれちまった男、義彦は奏恵の我儘にこう答えるのだ。



「ピザ風トーストがいい?それともリゾットがいい?」


こういう事を言ったという事は、"創作料理のレシピに奏恵の無茶振りに対応できる物がある"という事だ。


「ピザ風トーストがいい。」

「何だリゾットじゃないのか。」

「"リゾット"とか言って炊き込みご飯するんでしょ?」

「まあ、日本のリゾットなんだけど。」


揚げ足を取った義彦は、すぐさま料理にかかった。


__________


*すき焼き風ピザトースト


材料(1人前):

食パン(6枚切り)…1枚

牛肉…50gとちょっと

卵…1個

豆苗…軽く一掴みぐらい

オイスターソース…50㏄

ケチャップ…大さじ2杯

しょうが…小さじ1杯

チーズ…量はお好みで


道具:

軽量カップ

包丁

オーブントースター

耐熱容器

__________



「豆苗って、栄養あるけど青臭いから友達が苦手って言ってたわね…」

「香ばしくて美味しいと思うんだけど」


これが、意見の分かれる所である。


「この料理なら、そんなの気にしなくていいんだけどね。」


__________


作り方:

①豆苗を1/3ぐらいにカットし(面倒と言って手でねじり切った人がいますが、逆に面倒なのでやめましょう)、耐熱容器に入れ、水を少し加えラップをして80秒温めます。この下処理は絶対にしてください。

②オイスターソース、ケチャップ、しょうがを混ぜ、手で半分ぐらいにちぎった牛肉によく浸け、それを食パンの真ん中に円を描くように盛り付けます(そう、その真ん中に卵を乗っけるのです)。

③牛肉の周りに下処理をした豆苗を盛り付け、チーズを乗っけてオーブントースターで650Wで8~10分、ゆっくり焼く(と、卵がいい具合に固まる)


※お好みで七味を振ってもよし

___________



「豆苗の青臭さは、どこ行ったの!?」


味よりもそっちかよ!と義彦は心の中で突っ込む。


「ねえちょっと聞いてるんだけど、質問に答えなさいよ。」


凄んだ奏恵。義彦は落ち着いて質問の答えを考える。


「最初にレンジで温めただろ?加熱すれば青臭さは消えるんだ。…ところで味の方はどう、奏恵ちゃん?」

「美味しいに決まってるじゃないの。」


素直じゃない奏恵である。


義彦は、学生時代によく行っていた吉野家の、"たまには贅沢しよう"と思って頼んだカルビ丼にチーズと七味を乗せた時の事を思い出していた。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る