鯖のから揚げ
料理と言うモノをしていれば、必ず遭遇する事件がある。
"ああ、面倒くさい"
そう、一般的に料理というものは手作りで考えると中々に手間のかかる(手作り弁当でも冷凍食品を1品入れて20分は最低でもかかる)モノで、これが"鶏もも肉と茄子のノンオイル香草焼きイタリア風トマトソース乗せ"ぐらいの料理になるともう、何時間かかるのだ!と言ってコンビニ弁当で食事を済ませている大概の若者たちは匙を投げ飛ばして怒り狂うだろう。
しかし、料理のイメージとはやっぱりTVでフレンチとかイタリアンとか小綺麗な印象(イギリスはあまり見かけない…、そう言えばフィッシュアンドチップスぐらいしか知らない)のところの、"シェフ"とかいう生き物が常人にはできないような真似をしてのける印象があり、世間の頭のお堅い亭主は自分の料理像を高く持ってしまい妻にそれを要求するというステレオタイプも存在している。
義彦にすればそんな事だってどうでもいいのだ。
彼もまた1人の人間であるために、"気力がない"時だってある。常に気力を充実させて、事あるごとに"マイメンありがとう!"とか"週末に〇〇行ってきました!"なんてSNSに毎回のようにあげている人間のようにあんなに元気な人間はリアルに少数なのだ(義彦個人としてはあの手の人種は狂人の扱いになっている)。常に同じ事ができるというのは一種の才能とでも言うべきで、普通にやっていく事は困難である。
そして、日本の奥様お母様方も毎日の料理に悩んでいる事に感謝していきたい。
"面倒な時もある"
という事で、義彦は今回とある食材に目をつけた。
"鯖"
焼いても良し、味噌煮にしても良し、寿司にしても良し!な中々に万能の食材である。この手の魚の便利な所として、"元々味がついている"という点に注目して頂きたい。魚は高く、また肉が好きな人は多いかもしれないがここで注目すべき点は、後者には味をつけなければ食べられないという点である。
是非、疲れた時はおかずに鯖を!
…しかしながら、普通に焼いたり煮たりするだけでは、"創作料理モノ"というジャンルにそぐわない形になってしまうため、今回は鯖で意外なメニューを。
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*鯖のから揚げ
材料(2人分):
鯖の切り身…2尾分
片栗粉…適量
道具:
フライパン
※フライパンはテフロン加工をしているものがお勧めです。
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「油は使わなくていいの?」
"から揚げ"と訊いて油の入っていないレシピを見れば、奏恵が思う事も当然だろう。しかしながらこれも計算のうちであるのだ。
「焼いているうちに魚の油が染み出していい感じになるんだ。」
これは、鶏肉でも同様にできる事。
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作り方:
①一口大に切った鯖の表面に片栗粉をまぶす
②フライパンに①を入れ、中火か強火で炒める
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「塩味のから揚げもあるんだし、味付けずに鯖のから揚げもアリね。」
手間がかからなくていいわ、と奏恵は満足している。
料理が得意な方ではない奏恵だが、義彦が作った創作料理を覚えてはおり(少なくとも義彦は奏恵でも作れるレベルを想定して創作料理を行っている)、義彦が創作料理をすればする程、奏恵も料理をするようになるというよくできた夫婦だ。
ともあれ、今回はかなり時短メニューにはなったが、奏恵の満足を得られた義彦は満足のいく結果を得られる事ができたのである。
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