あの映画のミートボールパスタ


「さいならー」


TVの画面から聞こえてきたのは、飄々とした男の声。後から駆け付けた、トレンチコートにハットの男はだみ声で"あなたの心です"と歯の浮いたセリフを言ってみせる。


暫くのやり取りの後、小さな乗用車を警察車両が追いかけるシーンで映画は終わる。


…そう、ルパン三世の"カリオストロの城"。


今回は、この映画に出てきたメニューを再現したい。と言うのも


「あのパスタ作ってよ」


鬼とは言わないが妻の奏恵がそんな事を言うものだから作るしかないのだ。いつか言われるだろうと思っていたところではある。しかしこれが"ラピュタ"であれば絶対に言わないだろう、"食パンに目玉焼き乗せるなら私もできる"と。


__________


*ミートボールパスタ


材料(2人分):

パスタ…2束

トマトケチャップ…大さじ山もり5杯

お好みソース…大さじ山もり3杯

ブルーベリージャム…小さじ3杯

合いびき肉…400g

玉ねぎ…1/2個

卵…2個

塩コショウ…少々

コンソメ…5g


道具:

包丁

フライパン


__________


「言っとくけど銭形警部がいつも食べてるのじゃ無いわよ?」

「そんな事は分かっている。」


礼拝をしながらもラーメンをすする警部の姿を想像し、義彦は不覚にも笑ってしまった。


__________


作り方:

①鍋に水を入れ、沸騰させた後にパスタをお好みのかたさまで茹でる。

②その隙に玉ねぎをみじん切り、そして合いびき肉にコンソメと卵と塩コショウを混ぜてこね(もうしっかりこねて下さい、おおよそ200こねぐらい)一口サイズに分けていきます(大きすぎると火が通りにくくなりますので注意)。

③フライパンに油をひき、みじん切りにした玉ねぎを飴色になるまで炒め、ミートボールを投入し(弱火から中火で)竹串を刺して抜いた時に何も肉の赤身がつかないようであれば焼けた感じです。

④弱火にし、ケチャップ、お好みソース、ブルーベリージャムを投入し混ぜていきます。かき混ぜた後はパスタをあえ、盛り付けて完成です。


__________


「ブルーベリージャムが邪魔にならないのは意外よ」

「肉味とか塩味の隠し味に入れると結構いけるんだよ。味がバランスよくなる。」


そう、と奏恵はあっさり返事をした。


パスタをフォークで絡めて、それの状態からミートボールに刺すという食べ方をしていた。"このやり方だと具もパスタも食べやすいのよ"と。


子供の自慢そうに言う感じの様子の奏恵に、義彦は不覚にも心を盗まれた…


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る