おはしカルボナーラ
奏恵が見ていたのは、某洋食店の"カルボナーラ"の記事であった。
ここまで来ればもう、奏恵の言う事など義彦にはお見通し。
「これ、家で簡単にできないの?」
「ただのレシピ集じゃなくて小説なんだからその辺はもう少し配慮してくれないか?」
"そんな事言わなくたっていいじゃない"と奏恵。
現に立場が強いのは彼女なのであまり義彦も強く言えない。
買い物に行くのも億劫なのだ。
そんな事を考えた時に義彦が思いついたのは…
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*おはしカルボナーラ
材料(2人分):
中華麺…2玉
牛乳…250㏄
コンソメ…小さじ2杯
中華だし…小さじ1杯
麺つゆ…大さじ2杯
塩コショウ…適量
卵…1個
卵黄…2個
チーズ…適量(おすすめはスライス3枚分)
ごま油…小さじ2杯
刻みネギ…お好みで
道具:
鍋
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「鍋だけじゃない、今回は」
少しだけ奏恵は嬉しそうである。元々が面倒くさがりな性分であるのだ。
「喫茶店のはだいぶ手間かかるから簡単には作れないだろう?」
「まあ、そうね。中華麺を使うのも楽でいいわ。」
「ちなみに麺は蒸し麺がお勧めだ。」
蒸し麺か茹で麺に関しては袋に表記があるので注意されたし。
「蒸し麺が良いの?」
「そうそう、茹で麺より水っぽくないから絡ませて食べやすいんだ。」
「ところで、レシピだけ聞くとラーメンみたいね。」
「まあ、半分そうだな。」
これが"おはしカルボナーラ"の大事な点である。
敢えて中華麺にし、"箸で食べる物"にする事で"美味しさ×作りやすさ×食べやすさ"の三重コンボとなっている訳だ。
「完成品に関してだが、味は"チキンラーメンにコクとまろやかさが入った感じ"になる。要はカルボナーラに鶏だしの要素が入ったという事だな。」
"麺つゆも大事だな。ミツカンの追いがつおつゆ2倍は料理にも麺つゆにも使えるからかなり優秀"と義彦は付け加える。
(この小説で紹介しているレシピに関しては、"麺つゆ""和風だし"に関してはミツカン追いがつおつゆ2倍を使用した際のレシピを書いています)
「ちょっと…、聞くだけでビールが飲めるわよ。」
是非、ビールやハイボールが好きな方にもお勧めされたし。
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*作り方
①鍋に牛乳、コンソメ、中華だし、麺つゆを注ぎ、かき混ぜて沸騰させる。
②沸騰したら麺を投入し、1分ほど茹でる。
③弱火にし、溶いた卵を投入し全体に絡ませる。
④チーズを投入し、これも全体に絡ませる。
⑤お皿に盛り付け、ごま油をかけ中心に卵黄を乗せた後に上から塩コショウを振り、刻みネギを添えて完成!
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「ラーメンに生卵を乗せるって、実際どうなの?」
「現に徳島ラーメンとかやってるよ。」
"徳島ラーメン"
その名の通り、徳島県発祥のラーメン。
甘辛いスープ(醤油豚骨)のラーメンで、具材は主にメンマ、もやし、ネギと"甘辛く煮た牛肉(すき焼きのものが一番想像つきやすいと思います)"という、別名"すき焼きラーメン"とも言われる。その別名の通り、生卵を絡ませて食べる人もいる。
実際に徳島ラーメンの店に行くと、"生卵1個サービス"などの形で提供されていることも特徴として挙げられる。
「まあ、釜玉カルボナーラとか言うのもあるし、この"おはしカルボナーラ"は卵黄を混ぜてもいけるって事ね。徳島ラーメンはまた機会があれば食べてみたいわ。」
個人的な感想であるが、意外とラーメンにスダチを絞ってみても美味しい。気が向いたら是非是非(実際にラーメン店で餃子のたれにスダチを絞るのを推奨している店もあります)。
「義彦、ところでなんだけど…」
奏恵は、何か気にかかっていたようだった。
「卵白が余るじゃない、それはどうするの?」
「大丈夫、そこも考えてるから」
(続く)
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