龍人のサイエンス教室#9

 この時期、ぼくは必ずサイエンス教室で炎色反応の授業を行うことにしている。その理由というのは至極単純で、


「たーまやー」


 そんな子供たちの叫び声と共に炎色反応により綺麗な色が付いた打ち上げ花火が次々に打ちあがっていた。


「お昼にも話したけれど科学が発達したからこそ僕たちはこうして花火を忘れないようにね」


 ぼくはそれなりに覚えておいてもらいたいと思って毎年花火を見ながら言っているのだけれど、やはり今年も聞く耳を持った生徒はいなかった。



8月29日 シュガー

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