龍人のサイエンス教室#3

「こんにちは」


 今日の授業を終えたぼくはとある工房へやって来た。


「お待ちしていました」


「急なお願いを聞いてくれてありがとうございます」


 ぼくがドワーフ族のセンリョクさんにそう言うと、センリョクさんはとても良い笑顔を見せてくれた。


「僕の作ったものが科学実験の為になるならいくらでもお手伝いしますよ」


 そう言うと、センリョクさんは一台の車のおもちゃを取り出した。


「言われた通りに試作して見ましたけど、本当に電池を組み込まなくて良かったのでしょうか?」


「電池が無くてもここに塩水を注げば……」


 ぼくは持参してきた塩水を車のおもちゃに付いている小さな水槽に注ぎ込んだ。しばらくすると。


「動いた!」


「授業ではないので詳しい説明は省きますが、塩水が化学反応を起こすことで電気が発生してそれを動力としてこのように動いているんです」


「なるほど。今後のおもちゃ開発に役立ちそうです」


 センリョクさんは自分の作ったおもちゃの仕組みを少し理解したようで目を輝かせながらこのおもちゃの設計図を眺めていた。



7月18日 シュガー

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