魔法使い見習いのカキ氷屋#3

「兄貴もひどいよな、こんな暑い日に買い出しに行かせるなんて。ブラザーもそう思うだろ?」


「ひどい。僕は寝ようと思っていたのに」


「お兄さんたち、カキ氷はいかがですか?」


 あまりの暑さに気だるげに歩いているダークエルフ族の2人を見つけた僕はそう声を掛けた。


「カキ氷だぜ! ブラザー」


「うん。眠い」


「そうだよな、暑い日はカキ氷に限るよな。ブラザー。という訳だ、俺ちゃん達にカキ氷を売ってくれ!」


 お連れ様はカキ氷よりも寝ることを一番に考えている様子だが、言及するのはやめておいた。


「お味の方はいかがいたしましょう?」


「俺ちゃんはブルーハワイだな」


「僕は……メロン」


「かしこまりました」


 カキ氷を提供し、その代金を頂くと、ダークエルフ族の2人はすぐさまカキ氷を口の中に詰め込んだ。


「くーっ、最高だぜ!」


「冷たくて気持ちいい。このままよく眠れそう」


「ありがとう兄ちゃん、兄ちゃんが声を掛けてくれなかったら俺ちゃん達はここで溶けていたぜ」


「また来る」


 ダークエルフ族の2人はそう言うと満足そうに帰っていった。



7月19日 クッキー

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