物陰のじいや#2
「行ってきます」
目に入れても全く痛くない孫が優しい笑顔を私に向けて仕事へ向かってから数時間。私は今日も今日とて孫の職場であるインフィニティを物陰から覗いていた。
「ミリンさん」
「はい、ご用でしょうか?」
店主のソルトという男に孫は私には向けた事の無い笑顔で返事をした。
「今の時間はボクと理科さんで回せるから、ミリンさんには買い出しに行ってもらいたいのだけれど」
「わかりました」
ソルトという男のお願いに対し孫はキラキラとした眼差しを向けながら即答した。
「お財布と何をどこで買うのか記したメモを渡すのでお店が混み始める前までにお願いします」
「はい、行ってきます」
そう言ってインフィニティを出る孫のミリンを追って私も初めてのお使いを見守る親のように物陰に隠れながら後を追った。
4月15日 ショウユ
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