魔女見習いの占い#11

「こんにちは」


「いらっしゃいますか?」


 お店の前から声が聞こえて、お店の奥で休憩していたチョコが慌ててお店に出ると見覚えのある2人組がいた。


「お久しぶりです」


「その節はお世話になりました」


「ら、ラックアンラックだ。チョコ、どうして超大人気の子の2人がここに来ているのか説明してくれないかな?」


 ハーフエンジェルのホノカちゃんとハーフデビルのナギサちゃんの声を聞いてお店に出て来たクッキーくんはチョコにそう問い詰めて来た。


「クッキーくん知らなかった? 2人のコンビ名をラックアンラックにしたのはチョコの占いなんだよ」


 チョコはドヤ顔でそう言った。


「天国と地獄というコンビ名の時は全くというほどお仕事がありませんでしたが」


「チョコさんにラックアンラックというコンビ名を決めてもらってからは夢でも見ているかのように次から次にお仕事が入るようになりました」


「なるほど、そんな縁があったとは」


 チョコはパンと手を叩いてこの話をここで打ち切って本題に入った。


「今日は、お仕事?」


「またユグドラシルでお仕事をさせていただくことになったので」


「今日はその打ち合わせです」


「売れっ子で忙しいのに打ち合わせにも参加されるなんて大変ですね」


「普段だったらマネージャーさんが1人で打ち合わせに参加してくれるのですが」


「ユグドラシルには色々と縁があるのでわたしたちも無理言って参加させてもらいました」


 その縁の中にこのお店が含まれていることがチョコとしては誇らしかった。


「今日ここに来たのは理由があって」


「またチョコさんにラックアンラックの未来を見て頂きたくて」


「わかりました」


 隣に座るクッキーくんが


「速いな」


 と呟くほど速くチョコは即答した。


「じゃあ、占いますね」


 本当は2人の顔が見えた瞬間から2人の未来は視えていたけれど、より正確な未来を視る為にチョコは水晶に意識を集中させた。


「結果が出ました。ラックアンラックの未来はチョコが感じ取れる限りの未来およそ50年は明るいです」


「「本当ですか?」」


 チョコ自身も胡散臭い結果になってしまったとは思った。


「チョコは胡散臭いかもしれませんが、チョコの占いは正確です。僕が保証します」


「クッキーくんに保証されても……」


 睨まれた。


「「ありがとうございます」」


 胡散臭い結果と胡散臭い保証を信じてくれた2人にチョコがもう少し細かな結果を伝えると、2人は涙が出るほど喜んでいた。



3月27日 チョコ

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