ユグドラシルの定休日⑩

「……」


「……」


 ばあちゃんのいない水曜日。僕はじいちゃんとテーブルを挟んで向かい合っていた。


「ユグドラシルはどうだ?」


「平日、休日共に多くのお客様に来て頂いているよ。それに僅かだけどじいちゃんの時よりお客様が多くなっているよ」


「そうか」


 じいちゃんは少し寂しそうな声でそう言った。


「世渡は?」


「僕?」


「世渡の仕事はどうだ?」


「サファイアくんって優秀な従業員が……」


 サファイアくんの働きぶりをじいちゃんに説明しようと話し出すと、僕のおなかの虫が盛大に鳴きだした。


「話は、昼ご飯を食べてからにしよう」


「うん、そうしようか」


 僕とじいちゃんはそう言ってテーブルの上にあったお寿司を食べた。



3月21日 不知火世渡

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