ドワーフのおもちゃ屋さん⑩
「取れんな」
「アンさん、さっきからぶつぶつと呟きながら何をしているのですか?」
「これか?」
俺はセンことセンリョクと声はかけてこないもののセンの後ろから俺の様子を観察するカコウに手に持っていた金属を見せた。
「マスターアンザン、コレは?」
「工房に余っていた金属を加工して知恵の輪を作ってみたのだが中々に外し難くてな」
「ボクがやっても良いですか?」
「力づくで取るなよ」
そんな冗談を言いながら俺はセンに自作の知恵の輪を渡した。
「力づくでなんて……取れましたよ」
「本当か!」
驚きながらセンの手元を見ると本当に一つにまとまっていた金属の輪が外れていた。
「センは手先が器用だな」
「アンさんも器用な方じゃないですか、きっと落ち着いてやればすぐに取れると思いますよ。という事で、どうぞ」
センはそう言って一つにまとめ直した金属の輪を俺に返してきた。
3月22日 アンザン
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