妖精の職業案内所①
「すみません」
お店を開店してわずか数分、うちらフェアリー族がユグドラシルに初めて出店したお店『フェアリーワーク』にエルフ族のお客様が来店した。
「いらっしゃいませ、お仕事をお探しですか? それとも求人の募集ですか?」
お店を開店して初めてのお客様という事で、フェアリー族を代表して店主であるうちがお客様に声を掛けた。
「えっと、求人の募集を」
「かしこまりました。では、こちらのお席へ」
うちはお客様をお席へご案内した。
「担当させていただきます。フェアリーワーク店主のハーブです」
「ワタシは絵本屋ローゼンの店主ローズと言います」
「ローズ様ですね。求人の募集という事ですが、どのような人材をお求めでしょうか? 簡単で構わないので教えて頂けますか?」
「やる気がある方なら種族は問いません。ただ、絵本を扱うので絵本に対する愛情がある方を望みます」
うちは今聞いた条件をテレパシーで求人票作成担当のアッサムに伝えた。
「募集が来た場合ですが、履歴書は必要でしょうか?」
昨日までにフェアリーワークに求人を募集したいと連絡をくれた方の中には募集の際に履歴書を送る必要はないと仰っていた方もいたのでうちはそう尋ねた。
「いらないです。心は見ればわかるので」
「かしこまりました。では、受験者がいらっしゃいましたらお店の方へご連絡をいたします」
「何から何までありがとうございます」
「いえ、お仕事ですので。もし、ご不明な点や条件変更などがございましたらお気軽に足をお運びください」
不安そうな足取り来店したローズ様は安心した足取りで退店された。
2月5日 ハーブ
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