エルフの絵本屋さん②
「世渡オーナー、います?」
扉を少し開けてローズさんが僕の部屋を覗き込んでいた。
「ローズさん、わざわざ僕の部屋まで来てどうかしました?」
「世渡オーナーにお願いしたいことがあって話をしに来たのだけど」
そのお願いを聞くために僕は部屋の中にローズさんを招き入れた。
「お願いというのは?」
僕はローズさんが水筒に入れて持ってきた紅茶を飲みながらそう言った。
「最近新しい絵本の執筆をしているのだけど、そのために人間界の色鉛筆を使いたくて。オーナーのお仕事の合間で良いから買ってきてもらえないかな?」
ローズさんの姉であるばあちゃん曰く、人間界の色鉛筆は異世界の中でも品質が良い部類らしくローズさんのような異世界から来た絵描きの方たちは喉から手が出るほど人間界の色鉛筆を欲しがっているらしい。
「わかりました。午後から外へ行く用事があるのでそのついでに買ってきます」
ローズさんとそう約束をした僕はユグドラシルの外での用事の帰りに文房具屋で色鉛筆を購入しローズさんに渡した。
1月15日 不知火世渡
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