ユグドラシルの定休日①

 ユグドラシルの定休日は僕にとっても休日となるのだが、僕はとある事情があって定休日でお客様が1人もいないユグドラシルを訪れた。


「オーナー、あっしの事情で休日に出勤させてしまって申し訳ない」


 ユグドラシルで庭師として働いていただいているオークという種族のロースさんは両手を合わせて頭を下げ20歳も年下の僕に謝罪をした。


「ロースさん、謝らないで下さい。ロースさんが忙しいのをわかっていながら無理を言ってしまった僕が悪いので」


「オーナー、あっしなんかにそんな謙遜しないで下さい。それより、頼まれていたもの用意しておいたので行きましょう」


 そう言ったロースさんに案内されて僕はユグドラシルの2階へと向かった。


「どうです?」


 ロースさんは僕に空き部屋を見せて微笑んでいた。


「広すぎず、狭すぎず、ちょっとした作業を行うにはちょうどいい広さですね」


「あっし的にはこの部屋はオーナーにお勧めですが、どうします?」


 ロースさんの問いに僕は二つ返事で答えた。


「この部屋を僕の作業部屋として使わせてもらいます」


「それじゃあ早速契約をしましょう」


 ユグドラシルのテナントも管理しているロースさんと契約に関するやり取りをしている最中、僕はふと昨日のチョコちゃんの占いを思い出した。



1月10日 不知火世渡

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