第73話 キャットファイト
(――みゃーこさんに任せても良いんじゃないでしょうか)
(本気で言ってるの!?)
ふとみゃーこの方を見てみると、みゃーこは首を傾げながら頭の上に?マークを何個も浮かべている絶妙な表情をしていた。
(はい。理由としてはみゃーこさんはただの猫ではなく、今はステータス持ちだからです)
ただの猫で無いことはさくらとの絡みでなんとなく分かっていたが、よもやここまでとは想像だにしていなかった。そして、ステータスを持っていて、今戦わせると言うことはつまり、
(育成っていうこと、か)
念話によって言葉にはしないが、ナビーが肯定を伝えてくるのが分かった。
(にしてもなんでステータスを持ってるのかが分からないんだけど)
(それは真冬さんたちが目を離した隙を狙ってダンジョンに潜っていたからです。自分の実力を本能で理解し、それに見合った階層での戦闘しかしていないようだったので、言ってませんでしたが)
みゃーこは度々僕たちの前からいなくなっていることがあった。この世界に来るときに一応注意はしたが、自由気ままを地で行く猫だから言う事を聞かないような気はしていたので攻めたりはしなかったが、自分から危険なところへ行っていたとは……。
(ご主人様、約束破ってごめんにゃさいにゃ……)
特徴的な声と語尾から、その声の持ち主はみゃーこだとすぐに判明した。
先ほどは分からないような素振りをしていたが、本当は僕とナビーの念話を聞いていたのだろう。あるいは、ナビーが聞けるようにしたか。
おそらく後者なのだろう。
(それはもういいよ、それよりもみゃーこは戦えるの?)
ナビーがどういう方法でやっていたかは全然分からないが一応見守っていたようだし、約束を反故にしたことは無事に生きて帰って来てくれているので、水に流すことにした。
そして、僕の質問にみゃーこは、テレビでよく見る人間みたいな猫と称されるような二足で立つ格好で、ボクサーよろしく肉球を振り回しながら、
(それはもうばっちりにゃ)
(じゃあ、任せるよ)
長らく放置してしまったフランさんに会話の内容を要約して伝えた際に、みゃーこが戦うという趣旨を伝えると目が飛び出るほど驚いていたが、何とか納得して貰い、僕らは宝箱がすぐ触れられる距離まで近寄ることにした。
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