第6話

季節は秋、俺が通ってる高校では

毎年、寺・神社巡りをしているらしい。

住んでいるのが田舎なので、

寺や神社はたくさんある。

それを高校3年間で回るというものだ。

歩く距離は1年で30km、2年で30km、

3年で20kmの計80kmである。

はっきり言って面倒だ。

俺は運動は出来る方ではない。

それが始まり、列も乱れ始めた頃、

上井草さんが話しかけてきた。

「篠崎君、おはよう。」

「ん、おはよう。」

「眠そうだね。ちゃんと寝たの?」

「寝たんだけど、眠い。」

「そうなんだ。そういえば今日は

長い距離歩くんだよね。」

「うん。確か30km。」

「私、運動苦手だから嫌だな〜。」

「俺も運動苦手だな。」

「へ〜、苦手なんだ。何か意外。」

しばらく経ったある日、

面倒な事になるのは予想もしていなかった。

第1チェックポイントに着くと、

2人はそれぞれ自分の班に戻った。

「なぁ、駆。お前、

本当に付き合ってないのか?」

「あ?俺が誰と付き合ってるって?」

「お前と上井草さん。」

「付き合ってねぇよ。」

「めっちゃ仲良いじゃん。」

「仲良いだけだ。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昼食を食べ、しばらく経った。

「あ〜、キツい。」

「駆、頑張れ。半分切ったんだから。」

「おう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「やっと学校着いた〜。」

「よし、報告に行くぞ。」

「さっさと済ませて豚汁食おうぜ。」

「だな。」

全員で報告場所である

職員玄関へと向かった。

「おつかれ〜、篠崎君。」

そこには、聞き慣れた声があった。

「あれ?何で上井草さん居るの?」

「途中でリタイアしたんだ。」

「そうなんだ。まあ、おつかれ。

じゃ、またね。」

「うん。またね。」

(何か疲れが吹っ飛んだ気がする。)

……To be continued

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