第4話
今日も今日とて退屈な一週間が始まった。
「席に着け〜。」
(今日は数学の松平先生か。
この人の授業って眠いんだよな〜。)
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(やっと終わったか。
一限目まで時間あるし寝るか。)
俺に近付いてくる人影があった。
「おはよう。」
近付いてきたのは上井草さんだった。
「ん、あぁ、おはよう。」
「課外中、ずっと寝てたね。」
「内容分かってるからね。それに眠かった」
「ここ、分からないんだけど。」
「これは公式に沿って解けば。」
「解けた!」
「このタイプは確かに難しいけど、
公式さえ覚えとけば簡単だよ。」
「ありがと。」
そう言って自分の席へ戻っていった。
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そんな風に上井草さんと放課後、
宿題に取り組み、上井草さんに
教え始めて数日たったある日
「なぁ、駆。」
話しかけてきたのは
同じクラスの”宮原 智大”だった。
「何だ?」
「お前さぁ、最近上井草さんと仲良くね?」
「あ?別に勉強教えてるだけだが。」
「休み時間になる度に話してるじゃんか。」
「別に雑談くらい誰でもするだろ。」
「いや、お前なぁ。今まで話してなかった
やつらが急に話すようになると、
何かあったとしか思えないだろ?」
「宿題を一緒にやっただけだ。」
「本当にそれだけか?」
「しつけぇな。それだけだ。」
「付き合ってるとかじゃねぇの?」
「付き合ってねぇよ。」
「ちぇ、面白くないの。」
「面白くなくて結構。」
「やべ、授業始まるじゃねぇか。
また後で、じっくりと聞くからな。」
「何も無いって言ってんだろ。」
(騒がしいやつめ。)
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(さて、帰るか。)
「篠崎君。」
「何?上井草さん。」
「放課後、予定ある?」
「無いけど。帰るだけ。じゃ、また明日。」
「え?」
「え?」
「ちょっと待って。」
(何だ?)
「一緒に駅まで行こ。」
「はいはい。」
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「篠崎君てさ、文句言ったり、
嫌がったりするけど、
結局やってくれるし、優しいよね。」
「別に優しくないよ。」
「優しくなかったら
何もしてくれないでしょ。」
「まぁ、そうだけど。」
キィィィィ
「降りる駅に着いた。またね。」
「うん。じゃね。」
……To be continued
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