142話 ディーオという人間について


 それから暫くして、現在は私とカロフとリィナの三人……それともう一人。


「うぐぅ……うぐぅ……」


 あのアホ皇子を一緒に連れて街の中を歩いていた。

 私達のこの状況についても説明は必要だと思うが……先ずはレオン達があれからどうなったかというと。






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「では師匠、僕達はこれで」


 あれから私達も手伝いなんとか皇子を引きはがすことに成功したレオンはそのまま出国の手続きを済ませ出発の準備を整えていた。


「せっかく再会できたのにもうお別れなんだね……」


「リィナ姉ぇ……ごめん。でも……僕はもう一人の魔導師だから」


 入れ違いという形になってしまったが、こうして同郷の三人が巡り合えたことを喜び合えたのは幸運だった。

 これでカロフとリィナの心配事も一つなくなったわけだし。


「レオ坊、魔導師の活動もいいが……リュート村にはキチンと顔出せよ。出さねぇと……わかってんな」


「う、うん……それはもう……身に染みてるよ」


 ボキボキと指を鳴らしながら威圧するカロフに先ほどの恐怖を思い出したようにビクつくレオン。

 ま、それについてはレオンも重々承知だろう。


「エリーゼさん、シリカさん。どうかレオン君のことをよろしくね」


「ええ、任せくださいお姉さん」


「わたくしが責任をもって面倒をみますわ」


 と、こうして最後まで二人に挟まれながらもレオン達はこの地を去っていった。

 ま、何はともあれ一件落着。ここまでいろんなサプライズはあったけれども、これでもう何も問題は……。


「ぬおーっ! お主らなんてことをしてくれたのだーっ! レオンはゆくゆくは余が統べる帝国の一大魔導師となる予定だったのだぞ!」


 ……いや、解決してないものが一つだけあったな。

 どうしようかこのダメ皇子……これでも私達の雇い主なわけだから今だけ放っておいても結局いつかは向かい合わないといけない問題であって……。


「どう責任を取ってくれるのだ! のちに世界最強の軍団となる余の右腕となりうるチャンスをお主らが邪魔したのだぞーっ!」


 なんだろう、確かにこいつはこの国の皇子であり話している内容も間違ってはいないような気がするのに……その全身から漂う残念感に私もカロフ達もただただ微妙な表情にならざるを得ない。


「何なのだその顔はーっ!」


 わんわん泣き叫びながら駄々っ子のように言葉を発する姿には皇子としての威厳など微塵も感じられないほど惨めで、この私でさえこの姿を前に何もかける言葉が出てこない。

 カロフは言わずもがな呆れてものも言えない様子で、さっきまで騎士として皇子に対する完璧な振る舞いをしていたリィナでさえ若干苦い顔をしている始末である。


「やめろーっ! なぜそんな哀れな生き物を見るような目で余を見るのだ!」


 もはや私達が何もしなくとも一人でどんどん勝手にうるさくなっていく。


「オロローン! オロローン!」


 そしてついにはその場にうずくまってしまった。どうしよう……勢いが凄すぎて対応しきれない。

 しかし次第にうめき声も収まっていきグズグズというすすり泣きに変わっていく。体制は依然として丸まった芋虫のようだが……。


「……で、どうすんだよこれ」


 カロフが困ったように私に答えを求めてくる。

 だが私としてもこの状況に対する明確な答えなど思い浮かばぶはずもない。

 とりあえず、このまま放置しておくわけにもいかないので……。


「とにかく起こしてここを出よう」


「それしかないよね……。あの、殿下……そろそろ起き上がってくださいませんか」


「うぐぅ……いやなのだ」


 リィナが優しく声をかけるが、どうやら拗ねてしまったようでこちらの言うことを聞こうともしていない。


「めんどくせぇヤロウだな……」


「こらカロフ、そういうこと言わない。ほら殿下、レオン君のことは申し訳ありませんが、その分私達が殿下のお役に立てるよう尽力いたしますから」


「うう……本当か?」


 その言葉にひょこっと涙目に顔を上げる。案外素直な奴だな……。


「そうそう、私もレオンの後釜として配属された魔導師のようなものだし、できる限り皇子様が満足する働きをして見せるぞ」


 まぁ私としてもこの国で相当な地位を持つであろうこいつの信頼を得られれば、それが第六大陸への出立許可に繋がるかもしれないわけなので、ここらで一つ媚びを売っておくのも悪くはない。


「……なら、余の筆頭魔導師となってくれるか?」


「あ、いやそれはちょっと……」


「ぬおおおおん!」


「ちょ、ちょっとムゲン君!?」


 やべ、つい反射的に。だってそんな面倒くさそうな……ではなく、行動を制限されそうな役どころになんてされでもしたら、それこそ第六大陸への出立が遠のくだろうから。


 しかし参ったな……このアホ皇子様が顔を上げた状態でまたわめきだしてしまった。


「だあああああまどろっこしいだよ! ほら立て、とりあえずここを出るんだよ!」


 そう言ってカロフが首根っこを掴んでグイッと持ち上げる。


「ぬおおおお何をするのだーっ!?」


「うるせぇ! さっさと立って歩け!」


「いやなのだーっ! 泣き疲れたのだーっ! 叫び疲れたのだーっ! お腹も空いたのだーっ!」


「あーくそ……ぐちぐち言うな! ほれ、俺の握り飯やるから!」


「ぬわわーん! ぬわわーん!」






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 とまぁいろいろありまして……今現在こうしてダメダメ残念皇子様と一緒に宛てもなく街の中をうろついてるわけだが。


「むぐもぐ……惜しげもなく自分の握り飯を献上するとはお主は意外といい奴だのう。余の軍団の名誉団員としてやるのを検討してもよいぞ」


「そうかい……あんがとよ」


 皇子様は泣き止んだもののまだその余韻が収まらないようなので、こうして落ち着くまでどうにかしてご機嫌とりをしようということに一応はなっている。


「だがあまり美味くないのぅ……。やはり名誉団員の件は取り下げることにしよう」


「おいこら、じゃあ握り飯返しやがれ……」


「ぬお!? 暴力反対なのだーっ!」


 ササっとリィナの後ろに隠れカロフの威圧から逃れる皇子様。どうやら力関係は理解したようだな。

 しかし……この皇子様はこのアステリムに降り立ってからこれまで出会った人間の誰ともまったく違うタイプだな。私としてもここまで情緒不安定な人間に出会ったことはほとんどないので非常に扱いに困る。


「ともかく、これからどこへ向かおうか」


 そこのおにぎり皇子様以外は全員この街に到着したばかりなので右も左もわからない状態だ。

 やはりレオン達にはもうちょっとだけいてもらうべきだったか……いや、それはそれで可哀想だな。


「ま、とにかく適当に歩き回って日が沈んだら皇子さんを送って俺らもあてがわれたとこ行きゃいいんじゃねえのか」


 そういえばもうリィナの部隊の皆はどこかで休息をとっているんだったか。

 一応私も指示があるまではギルド支部で待機できるようにはなっているが、どうするべきだろうな。


「待ってカロフ。それもいいけど……ここは私達の意見を並べるよりもまずは殿下の意思を尊重するべきよ」


 リィナの言うことももっともか。こんな残念ではあるがそれでもこの大帝国の一皇子……加えて私達の現雇い主でもあるのだから優先するのは当然と言えば当然だろう。


「なので殿下、まずは殿下のご意見をお聞きしたいのですがいかがでしょう?」


「む、余が決めてよいのか?」


「はい……とは言いましても、我々はこの国に詳しくはないので殿下に案内してもらうことになってしまうのは申し訳ないのですが……」


 流石リィナだな、カロフと違ってこの手の礼儀作法はお手の物。まぁ数か月前に騎士になったばかりのカロフとは年季が違うし当然か。

 ま、そうじゃなくてもカロフの礼儀作法は壊滅的だが。


「そうだのぅ……。適当に街の視察を行ってから日が暮れたら帰るとしようか」


「俺の意見とほぼ一緒じゃねぇか……」


「いちいち文句言わないの。それでは参りましょうか」


 そんなわけで私達は街の視察という名の観光に出発することとなった。




 街を歩くこと数分後、私達は変わらぬ情景の街並みをただただ歩き続けていた。


「しっかし代わり映えしねぇ風景が続くなおい」


「ふーむ、ほとんどが武器や狩猟等に関わる店ばかりだな」


 流石アステリム一の戦闘国家とうたわれる帝国の首都なだけはあるな。

 普通の武装から魔力内包物質を扱ったものまでずらりと店先に並んでいる。

 魔力に関する武装はおそらくドワーフ族の技術を取り入れたものが多数存在している。元々ドワーフ族の技術というのは昔から一子相伝されるもので、同種族であろうと決してそのレシピは門外不出のはずなのだが……。


「お、またドワーフだぜ」


 その種族が集まる一国が敗戦し吸収されたことによりその技術のすべてが明け渡されたということか。

 しかしまぁ、それも珍しい話ではないのかもしれない。昔でさえ、ドワーフの貴重な技術の奪い合いは頻繁に起きていた。

 可哀想だが、ミーコの祖国は気の毒だったというしかない。


「む、ドワーフ族の者達か。彼らには悪いとは思っているが、その技術のおかげでこの国はさらなる発展を遂げたのだ。防戦を強いられてばかりいた新魔族との攻防にも変化があったらしいからの」


「でもよ……なにも国を落としてまでそれを得る必要はあったのかよ。奴隷ってのもあまり気分がいいもんじゃねぇし……」


「カロフ、こういうことはそんな感情一つでどうこうできるもんだいじゃないの。うちの大陸でも昔からいろんな理由で抗争は起きていたものよ。もっとお勉強しなさい」


 そうだ、戦いというのは思想の違いや譲れないものを守るためにこそ起きる。

 確かにカロフのような優しい考え方は個人の意見としては悪いものではないが、大きなもの全体を支える立場にある者としては非情な決断を下さねばならない時がある。


「その戦争が行われていた時期は余はまだ幼かったが、現在の結果を見る限り必ずしも間違っているとは思わぬ。確かに少なくはない犠牲もあったことは確かだが」


「……そうかい」


 この手の話題はカロフにはまだ割り切れないものがあるか。

 ま、私も昔は人の命を預かる身として数え切れない葛藤があったもんだ。

 だからこそ、それをいつまでも忘れずに胸の中に残しておくと決めたのだから。


「だがしかし……彼らも今でこそ奴隷という身分ではあるが、いずれ新魔族との戦いさえ終えることさえできれば彼らにもこの国で不自由のない生活を与えたいとは思っておる」


 なんだろうな……最初の印象だとただのわめき散らしてる残念皇子って感じだったけど、こうしてみると人一倍国の未来について考えて頑張っているような印象も見受けられるようだ。


 少々認識を改める必要があるのかも……。


「けど、新魔族との戦いが皇子さんの代で終わるかどうかも分かんねぇのにそんなことまで考えんのかよ」


「何を言うか! それこそお主らという余の集める最強の軍団の出番であろう! お主ら新魔族と戦ったことがあるのだろう? 同じように敵をけちょんけちょんにすればよいだけなのだ!」


 ……やっぱり、かなりおバカな残念皇子のままだな。


「アホか! そんな簡単に出来たら苦労しねぇよ! 勝ったことがあるっつってもたった一人に両者ボロボロの痛み分けみたいなもので息も絶え絶えだったんだよ!」


 まぁそれは相手が強敵だったてことも要因の一つだったけどな。実際ドラゴスの協力という離れ業がなければ痛み分けすらできずに敗北していただろうし。


「なぬーっ!? お主らは一人ひとりが新魔族をちぎっては投げちぎっては投げと無双する対新魔族の無敵の部隊ではなかったのか!?」


「いやどこをどう聞いてそんな考えに至ったんだよ!」


「送った親書にもそこまで大げさには書いてなかったはずですけど……」


 それはどう考えても皇子さま……ディーオの妄想だろうな。

 まぁ今のカロフの実力を見る限り、並みの魔導師くらいの実力が相手でもそう簡単に負けないとは思うが。


「ぬぅ……しかしそうなるともっともっと戦力が必要になるのう……。やっぱりレオンを帰したのは失敗だったのだーっ! 今からでも遅くはない、早く追いかけて連れ戻さねば……!」


「やめい」


 まったくこの残念皇子は……。

 しかしまぁそこまで戦力を集めたとしてもレオン達の言う通り何もしていなかったら意味もない。

 その辺の事情については今後にあるという集会とやらで詳しく聞かせてもらうしかないか。


「大分日が沈んできたな……つっても空は常に曇っててわかりづれぇけどよ」


「うぬ、それこそが国民の頑張りの賜物というものであろう。それではそろそろ城に戻るとしよう……ん?」


 おや? 城に戻る前にディーオには何か気になることがあったようで、その方向へとスタスタと歩いていく。


 そこにいたのは……一人のドワーフだった。なにやら大きな荷物を担いだままうずくまっているようだが……。


「おいてめぇ! 何をこんなところで休んでいやがる! さっさとそれを運ばねぇか!」


 その奴隷の所有者だろうか。そのおっさんは疲れ果てて声も出ないドワーフの男を踏みつけにして暴行を働き、仕事を強要している。


「酷い……」


「いくら奴隷だからって、あそこまでしなくてもいいだろうがよ……」


 確かにカロフの言う通りだが、あれも奴隷ならば当たり前のことなんだろう。

 この国に到着したばかりの部外者である私達が感情的にあれこれ口出しする立場ではない。


 そう、部外者ならな。


「おら! さっさと立……!」


「おいおいちょっと待つのだ。立とうにもそんな乱暴にしては動くことも出来んだろう。お主はアホか?」


「あん、なんだてめ……って皇子殿下!? なぜこんなところに!?」


 そう何食わぬ顔でさも当然のように割って入るディーオ。おっさんのほうもとても驚いた顔をしている。


「ま、またこんなところまで視察に来られたのですね。我々としましてはこの国の発展のため、誠心誠意日夜働いて……」


 相手が誰か理解した瞬間にペコペコしだすおっさん。

 しかし"また"って言ったな、つまりこうしてディーオが街におりてくることは珍しいことではないと。


「それは分かっておるし平伏もせんでよい。それよりも余が気になるのはなぜそこのドワーフの者が苦しそうなのかということだ、申してみよ」


「そ、それは……」


 どう答えてよいのかわからないおっさんはその場で口ごもってしまう。

 そして、ディーオの質問に答えるようにドワーフの男の口がゆっくりと開く。


「わ、ワシ……ずっと働き詰めで。それは良いのですが……昨日から何も口にしていないので……腹が」


「おいてめぇ! 奴隷のくせになに殿下の前で口を開いてやがる! それに昼夜問わず働くのは奴隷の務めだ! それが当たり前なんだよ!」


 奴隷が口を開くのが気に食わなかったのか、おっさんはまたもや怒鳴りながら暴行を与える。


「あいつ……!」


「まてカロフ、ここは抑えろ」


 その行為に怒りを覚えたカロフだったが、ここで逆上して無関係な私達が手を挙げるのは良くない。

 それよりも、何とかしてくれそうな奴が目の前にいるしな。


「うむ、確かに我が国の奴隷となったのならばその規約に基づき働くのは当然だ。だがのぅ……お主は馬鹿なのか?」


「え、えと……なぜでしょうか?」


「いいか、よく聞くのだぞ……お腹が空いたら動けないのは当然であろう!」


 ……ディーオ以外のこの場にいる全員の表情が固まる。うん、ディーオの言っていることは正しい、正すぎてもはや何を言っていいのかわからないほどに。


「し、しかし殿下……こいつは奴隷でして」


「奴隷の維持管理は所有者としての責任であろう。いくら労働力であるとはいえ、潰れてしまっては元も子もないではないか。それに奴隷とはいえ彼らもこの国に住む者であることに変わりはない、ちょっと待っておれ」


 そう言うとディーオはどこかへスタスタと走っていく。その先には屋台のようなものがあり、中では串に刺さった肉のようなものがいくつも焼かれていた。


「スマヌが今焼いているものを全部くれ。代金はいくらだ」


「あいよ! それじゃあお代は……って皇子殿下!? い、いつも言ってますが殿下からお代などいただけませんよ!」


 あの串焼き屋も顔なじみなのか……なんというか、ただ皇子様ってだけで有名人じゃないんだな。


「何を言うか、肉を売ったというのにお主の手に金が渡らなかったらどうなる」


「え、まぁ経営は少々厳しくなりますね」


「うむ! なら受け取るがよい!」


 ドン! とその場に大量の金貨を強引に叩きつけるディーオ。

 すげぇ……私も以前はあの位の金貨を求めて必死だったが、それを惜しげもなくポンと出せるとは流石皇子様だな。


「ってこんなにしませんって! 一枚でもおつりが出るほどですよ!」


「ならおつりを渡すがよい!」


 こうして串焼き屋とのやり取りを終え、再びドワーフとおっさんのところへ戻って来ると、ディーオはすぐさまドワーフの男に串焼きを差し出した。


「食べるがよい」


「……!」


 そのなんの屈託もない善意100%の施しに、ドワーフの男は大量の涙を流しながら串焼きをかぶりつく。


「で、殿下……困ります、こいつはうちの所有物で」


「ごちゃごちゃうるさいのう。ほれ、お主も食べるがよい。ほれほれ」


「も、もが……あ、ありがとうございます」


 おっさんの口にも無理矢理串焼きをねじ込んでやや強引にこの場を治めることとなったが、この雰囲気にあのおっさんも毒を抜かれたようですっかり怒りは収まっていた。


「よし! ではこれからも我が国の発展のために頑張るのだぞ!」


 こうしてひと悶着は解決し、私達は再び城へと向かって歩み始めるのだった。


「……しっかし皇子さんよう、なんだってあんなことしたんだ」


 その道中、カロフが先ほどの出来事を思い返して疑問をぶつけていた。

 ディーオがどうして躊躇もなくあの場に飛び込めたのかということだろう。


「ん? 当然であろう、余は後にこの帝国の頂点に立つ存在なのだぞ。国のために民があり、民のために王がいる。余はこの国をもっと良くしたいのだ」


 やっぱり、どこか抜けているが根は良い奴だな。ただちょっとその抜けている部分が極端すぎるのが問題ではあるが……。


「それに、自分がされて嬉しかったことは他の誰かにしてやったら嬉しいものであろう」


「……そうかい」


「ふふ、素敵なお考えですね」


 つまり先ほどの行為はカロフの握り飯があったからの行動ということにもなるのかね。

 カロフもそれを理解したのかちょっと照れ臭そうだ。


「さて、そろそろ城に到着……ぬ!?」


 話しているうちにどうやら城に到着したようだが、なにやらディーオが何かに驚いたような表情だ。

 なにやら城門の方を見ているが……おや、数人の門兵のほかに一人だけメイドの姿をした女性が立っている。

 その女性はこちらを……というかディーオの方を見つめている。そして、ゆっくりとこちらに近づいてきて……。


「おかえりなさいませディーオ様。、おひとりで街まで行かれたのですね」


 無表情のまま、私達を出迎えたのだった。


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