97話 風雲急を告げる


 星夜とケントの模擬戦の後、朝食を食べ終えた私はラフィナの部屋へ招待させてもらっていた。

 あちらは私の話を聞きたく呼んでくれたのだろう。

 だが、実は私もラフィナを通じて彼女の父である国王や婚約者である宰相のメレスに倉庫の異世界品を少し持ち出せるよう口添えしてもらおうと考えている腹だ。


「ようこそムゲン様。よくいらしてくださいました」


 けど婚約者がいる手前、他の男を女性の自室に迎え入れるというのはいかがなものだろう?

 まぁ何人か侍女さんもついてるからそこは大丈夫か。


 よし、それじゃあ私が見てきた秘蔵の前世エピソードを脚色して話して差し上げようじゃないか。




「……と、いうわけで二人は無事お互いの気持ちを理解し合い、幸せに過ごしたとさ」


「素晴らしいですわ。悲運な少女と不器用な男の恋物語……外の世界にはそんな過酷な世界を生きてきた人達がいるのですね」


 よしよし、どうやらガロウズとミレイユの人生を恋物語風にアレンジした話は好評だな。


「ムゲン様はお若いのに色んなお話を知っているのですね」


「ええ、いろいろありましたから」


 なにせ前世を含めれば1000年分くらいのエピソードは貯蔵されているからな、話の種は尽きないぜ。


 さーて、次は何を話そうかね。

 今日は久しぶりに昔の夢を見たおかげか前世の仲間のエピソードがなかなか鮮明に思い出せる。


 長い間誤解をしていたエルフ族二人の物語か……数々の女に騙され裏切られ、それでも最後に本当の幸せを掴んだ男の話か……真実の愛を追求し続ける者の話か……。


(……って最後のは駄目だな、あの変態鬼畜野郎の話はどう脚色しても女の子には刺激が強すぎる)


 前世の私、つまり"魔法神インフィニティ"の仲間にはそれはそれは良い奴が多くそろっていた。

 が、そんな中にも変わった奴は一人や二人はいる。

 特にあの変態は酷かった……顔はイケメンなのに中身がゲス過ぎる、それでいて魔力量と魔法の扱いだけなら私の次に長けているというまさに問題児。

 仲間にも散々迷惑かけてたしなぁ……。


「あの、どうかなさいました?」


 しまった、昔のことを思い出していたらつい……。


「いえ、次は何を話そうかと考えていたところで」


 しっかしこの王女様もよく飽きないね。

 朝食を終えてからすぐ呼ばれたけれどもうそろそろお昼の時間に差し掛かりそうだ。

 ちなみに倉庫の異世界品についてはもう話しており、王女様は快く了承し国王である父にも話をつけてくれるそうだ。


 その代わりに今もこうしてお話の真っ最中というわけだ。


「ラフィナ、今いいかい?」


 と、不意に扉をノックする音と共にメレスの声が聞こえた。


「あら、もうお薬の時間だったのね」


「薬?」


「ええ、わたくしは昔から体が弱いのですけれど、メレスが腕の良い薬屋からお薬を仕入れてきてくれるの」


 ふむ、どこの誰が作った薬なんぞ私は信用できず飲むことなどできないな。

 けど彼女やこの城の者達はメレスのことを信頼してくれているのだろう。


「お薬おかげか、数日に一日は調子がいいの」


「ラフィナ? 大丈夫かい?」


「いけない、メレスを待たせてしまったわ」


 慌てて侍女に扉を開けさせると、片手に水の入ったコップと薬のような錠剤を数粒乗せたお盆を持つメレスが入ってくる。

 本来ならこんな役割は宰相である彼がするようなことではないだろうが、婚約者のためにわざわざ自分で持ってくるとは。


「おや、魔導師殿もご一緒でしたか」


 ちょっと含みのある言い方……はいはい、婚約者の部屋に他の男がいたら邪魔ですよね。


「おおっとこれは失礼、せっかく婚約者がいらしたのに私がいてはお邪魔でしょう」


「そんな、ムゲン様を呼んだのはわたくしですし、長い間引き止めていたのもわたくしですから……」


「いえいえ、なんなら魔術を使い今すぐにでも影のようにこの場を立ち去りましょう、ゆくぞ犬」


 私はわざとらしくシュタっと立ち上がり、そそくさとメレスの横を通り抜けていく。


「あ、魔導師殿、別に私は気にしま……」


「遠慮なさらずに~。『影潜みインビジブルシャドウ』、でわでわ~」


 パタンと扉を閉めると、部屋の中にはラフィナとメレス、それと数人の侍女しかいなくなった。


「ふふ、面白い方ですねムゲン様は」


「……そう、だね。やはり……」


「メレス?」


「あ、いや、なんでもない。それじゃあ薬を飲もうか」


 その後も、「メレスが口移しで飲ましてくれますか」とか、「侍女がいるのにそんなことできるわけ無いだろ」とかとか、恋人同士の甘い語らいが扉の外にいる私に聞こえてるのはご愛嬌。


「これ以上こんなところにいられるか! 私は城を出るぞ!」


 と、ミステリー小説なんかでよくある死亡フラグを吐き捨てて私は街へと繰り出してゆく。




 てなわけで今日も祭り前で賑わう街に降りてきた。

 もうお昼なわけだし、ここらの出店でかる~く腹を満たしていくのも悪くない。


「ワウ~ン。ワン?(う~ん、肉の焼けるいい匂いがするっす。あれってケバブっすかね?)」


 確かにその屋台を見ると、熱を発生させる魔道具にどう見てもケバブに使用するような棒に巻かれた肉がクルクルと回っている。

 削ぎ取った肉をパンにはさみ、さらに新鮮な野菜を詰めてまさにケバブサンドといった感じだ。


「他にもあれは焼きそばか? それにあちらで焼かれている野菜はトウモロコシに似ているな」


 あちこちに点在する屋台では、ちょくちょく日本の出店で見かけるようなものに似ている料理が売られている。

 ……そういえば小耳に挟んだ話だが、数年前からこの祭りには勇者であるケントの意見を取り入れてるとかどうとか聞いたことがある気がする。


「あれ、ムゲンさん?」


「ん? おお、セラにカイルじゃないか」


 不意に背中から名前を呼ばれたので振り返ってみると、そこには先日街の入口で別れたあの二人の姿があった。


「ムゲンさんもここら辺でお食事ですか?」


「ああ、だがいろいろなものがあって悩むんだよな~」


「そうですよね。それに、私達はそこまでお金を持っているわけでもないので慎重に選びたいんです」


 そうか、今でこそ私は魔導師ギルドの恩恵で衣食住には困らないが、この二人はそうもいかない。


「なるべく節約しないといけませんから」


「だったら私が少し出そうか?」


 まぁそのお金は実際には私の懐ではなく魔導師ギルドから出るのだが……細かいことは気にしないようにしよう。


「いえ、せっかくですがそこまで甘えるわけにはいきませんよ。僕達の旅はこれからもこうして節約していかないといけないわけですから」


 そう言うカイルの表情は以前見たものよりもしっかりとした顔つきだった。

 星夜にしごかれてちょっとは成長したってとこかな。


「うし、わかった。それじゃあ私が片っ端から味見していって、美味しくて安いものを探しだしてやろう! さぁ行くぞ!」


「え、ちょ、ムゲンさん!?」


 私は二人の手を取り強引に歩き出す。


「ワウ……(それってご主人がただ食べたいだけっすよね……)」


 当たり前だ!

 ちなみに私が食べているものを二人にも評価してもらうために少し食べさせるつもりもあるからな、強引に。




「……うぷ、これ以上はもう食えん」


「ワン(無理してあれもこれも食べまくるからっすよ)」


 あれから数時間後、出店で大量に料理を買った私達はそのまま休憩できる店へ足を運び、そこで食事をはじめた。

 しかし、流石に買いすぎたのかもう腹がパンパンだ。


「ふふ、本当にムゲンさんって面白い人ですよね」


 うるへい……ま、私自身もその自覚はあるけどな。


「だが量の割にはヘルシーなものが多くて思った以上に箸が進んだな」


 出店の料理には確かに肉や魚、炭水化物も勿論使われているが、それを上回るように野菜の量が多かった。

 いやむしろ肉よりも野菜がメインだと言えるような料理が多かった……野菜恐るべしだな。


「そりゃあこの豊穣の祭りはこの時期に取れる沢山の野菜が主賓ですよ。世界樹の恩恵でこの時期は凄いですからね」


 なるほど、話を聞く限りでは世界樹が生み出すマナの影響は特に大地にを通してその恩恵を流しているようだ。

 考察するにそこから作用されるのは地、水、そして生命の属性……それも広範囲に渡って作物にまで影響を与えるなんて前世でもちょっと難しい技術だ。


「しかしこの賑わいでまだ本番でないなら……本番はどんなことが行われるんだ?」


 私も是非とも祭りを楽しみはしたいが、何が行われるかは事前には知っておきたい。

 ちなみに私はネタバレオッケー勢なので、余程のサプライズがなければ文句は言わない。


「あ、じゃあ私が説明しますね」


 ありがたい、では食後のコーヒーを飲みながらゆっくり聞かせてもらおう。


「お祭りは五日間続けて行われて、はじめの二日は一般参加可能な様々な催しが開かれるんです」


「催し?」


「はい、新鮮な食材を使った料理大会とか、力自慢の武闘大会とか。あ、でも武闘大会では強化の付与魔術以外禁止なんですよね……」


「ふーん、そうか」


 セラは何故か私のことを気遣ってくれているようだが、別に出たいわけでもない、むしろ見る側だ。

 賞品も出るらしいが特に惹かれるものもなし、総スルーだ。


「それで、残りの三日は?」


「はい、そこがこのお祭りの一番の行事なんです。国によって選ばれた人達がこの街を出発地点にして、誰が世界樹のある区域の手前のゴールまで早く辿り着けるかの勝負が行われるんです」


 要はレースか、んで世界樹には流石に近づけないから手前にゴールを設けてるのか。

 ここが世界樹に一番近い街と言っても、そこまではそれなりの距離がある、そりゃ三日もかかるか。


「でも、今じゃちょっと趣向が変わっちゃってるんですけどね」


「ん、どういうことだ?」


「四年程前でしょうか、この行事に出た勇者様が一日もかからないでゴールまで辿り着いてしまって……。それからというもの、毎回一番早く辿り着いてしまう勇者様がゴール手前で次の選手を待ち構えて、一騎打ちで倒せるかどうかっていう風になっちゃってるんです」


「去年から馬や乗り物の使用もアリになったんですけど、それでも勇者様には追いつけないらしくて……」


 おいケント、何やっとるんじゃお前……。

 おそらく、あの『光輝の翼オプティカルウィング』を使ったんだろう。

 それで空気を読まずにゴールしたもんだから、それが形骸化されていった……ねぇ。

 いやね、聞くところによればそれでも盛り上がってるからいいんだろうけど。


「でも今年も勇者様を超える選手はいなさそうなんですよね。それであっても祝祭の一番の目玉であることには変わらないですけど」


「なるほどな……よし、内容は大体わかった、ありがとう」


 丁度料理もすべて食べ終わったので、店を出てこれからどうするか考える。


(ふむ、明日ぐらいまではここでのんびりして、それから世界樹の方へ向けて出発するのが吉か)


 最後のレースではその結末を観戦するために多くの人が世界樹近くの町や村に集まるので、私もそれに便乗してついでにその後に調査も終わらせてしまおうという魂胆だ。


「そうと決まれば今日はこのままブラブラと……」


「魔導師様! ここにおられたのですね!」


 セラとカイルを連れてそのまま出発しようとした矢先、人混みを分けて現れた兵士の男に呼び止められた。

 なんだ? どうやら私を探していたようだが……。


「なにか用か?」


「実は大変な事が……っと、こんな大衆の前では」


 どうやら一般人には知られたはいけない話のようだな。

 それをすぐに理解した私は人通りの少ない路地裏へと足を運ぶ。


「『音遮の風カーム』……これで外に声が漏れる心配はない。それで、何かあったのか?」


 風の魔術を使用し防音対策もバッチリだ。


「ありがとうございます。実は、今現在『世界樹ユグドラシル』付近において大量の黒い魔物が現れたとの報告が入ったのです。そしてその群れはこの街の方へ進行しているようで……」


 黒い魔物……以前馬車の護衛の時にも現れたな。

 それが大量に、何か因果関係を疑えるな。


「そ、そんな、世界樹に大量の魔物が集まってるってことは……祝祭は中止になるんですか」


 カイルが青ざめた顔で兵士に質問を投げかける。

 そういえば二人も連れて来てしまったがいいのだろうか、兵士は私のお仲間だと思っているみたいだが。


「いえ、我々もできるだけ中止にはしたくないと考えております。そこで、勇者様や魔導師様に強力を願い、押し寄せる魔物を掃討していただくことを考えております」


 ふむ、用件はわかった。

 そういうことなら強力しないわけにはいかないだろう。


「よし、わかった」


「ありがとうございます。ではまずは城へ集まるよう言われておりますので」


 そのまま私達は王宮へ向かう。


「え、こ、これって私達もついていかなきゃいけないんですか?」


「まぁそうなるな」


「「ええ~~!」」


 ここまで関わってしまったらもう無関係とは言えないだろう。

 ヘタに帰したらそこから今の情報が街中に広まってしまうかもしれないからな。


「なので諦めろ。偉い人には私から言っておくから」


 しっかし、毎度毎度よく巻き込まれるよな私も。

 この調子だと星夜とケントも召集されてるかな? ま、行ってみればわかるか。






 朝食後、王宮で一息ついたオレとミーコは街へ降りていた。


「どうだミーコ、祭りは……とは言ってもまだ本番じゃないらしいが」


「とても……たのし……です」


 そう言ってニッコリと笑いながら買ってやったリンゴ飴に頬張る姿はまさに無邪気な子供そのものだ。


(限に言われてこの街に滞在することにしたが、正解だったようだな)


 更には五年前に共にこの世界に降り立った男と再会したことには驚いた。

 その縁もあってか、今ではこれまでの旅では到底手の届かない豪華な待遇だ。


 ……しかし、いつまでも彼らに甘えている状況はよくない。

 元々自分は剣斗のようにこの国の勇者でも限のようにギルドの調査員として訪れた者でもないただの無関係な人間。

 今でこそその恩は返せないにしろ、そろそろ身の振り方を考えるべきだろう。


(だがミーコのためを考えればもう少しこの地に留まることは……ん?)


 これからどうするかを考えていたら、ミーコがオレの上着の裾をクイクイと引っ張っている。


「どうしたミーコ?」


「も……しゅぱつ……いです……よ?」


 長年ミーコと過ごしてきたので、このくらいならば言葉の断片から考えていることはなんとなく理解できる。

 ミーコは、「自分はもう十分楽しんだからいつでもここを出発してもいいですよ」と言っているのだ。


「だが、まだ祭りは本番じゃないんだぞ。そんなにオレに気を使わなくても……」


 が、オレか否定するとミーコは首をふるふると横に振り。


「はじめ……ばかり……たのし……かた……から」


 ここへ来て初めてのことばかりだったからもう十分ということなんだろう。

 しかしそれでもオレはミーコが気を使っていると思い否定しようとするが……そこで以前の限の言葉を思い出した。


『星夜はそうでもミーコの中ではそれだけじゃ納得してないんだよ。もっと乙女心ってやつを理解してみようZE!』


 ミーコも、オレのためを思って言ってくれているんだろう。

 だったら、少しはそれに答えてやらないといけないな。


「そうだな、ならそろそろここを出るか。幸い必要な品はいつも持ち歩いてるから城にも戻る必要はないしな」


 あの二人に恩を返せないのは少々心苦しいものはあるがな。


 歩いた先にはこの街を出るための門にすぐにたどり着く。

 そして、いざ門をくぐって外へ出ようとした瞬間、外から誰かが勢い良くこちらへ突っ込んできた。


「なっ!?」

「え? わわ、どいてー!?」


 後ろにミーコがいたため引くこともできすにオレは"それ"とぶつかってしまった。


 腰まで伸びたウェーブのかかったピンクの髪の毛の女の子。


「いててて……もう! キチンと前見て歩いて……あれ!? おにーさん……」


 なんだ? ぶつかってきた少女がオレの顔を見て目を丸くしている。

 今までの旅で様々な人と出会ってきたオレだが、こんな強い印象の少女なら忘れることは無いと思うが……。


「せや……さま。このひと……ごえ……まえ」


「……ああ、そういえば」


 ミーコの言う通り、そういえば以前この少女とは会ったことがある。

 限と出会う護衛の仕事を受ける前の話だ。

 あの町へ向かう途中、大量の魔物の群れに出くわしたと思ったら一人の少女がその群れに襲われていた。

 その時は疲れていたのであまり考えずに魔物の群れを一掃したのは覚えているが……そうか、この少女だったのか。


「そうだ! ねぇねぇ優しいおにーさん、助けてほしいの!」


「いや、いきなりそんなことを言われてもな……」


「この森の……いやこの大陸の危機なの!」


 言っていることはなんだかよくわからないが……この子の目は真剣だ、それはわかる。


 というか、そろそろしがみつくのをやめてほしいんだが……。


「……わかった、そこまで言うなら話を聞く。内容によってはこの国の偉い人間にも話を通してやる」


 だから離れてくれ。

 何故かミーコがこちらを冷たい目で見ているのにそろそろ耐えられない。


「本当! わーい、ありがとうおにーさん。あ、あたしフローラって言うの、おにーさんは?」


「星夜だ……とにかく離れろ。王宮まで歩くぞ」


「はーい、よろしくね星夜」


 やっと離れたか。が、そこで一つ気になることが。


 この少女……浮いてないか?いや周りの空気からとかそういう意味じゃなくてな。


「どうして……オレの周りにはこんな変な奴が多いんだろうな…」


「ん、なにか言った?」


「なんでもない、とにかく行くぞ」


 結局この街をでるどころじゃなくなったな。

 まぁ、とりあえずこの少女から話を聞いて、限あたりにでも相談するか。あいつはこの世界についてなにかと詳しいようだからな。


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