72話 魔導師生活開始


「と、いうわけで……親の気持ちも考えず、ふらふらと出て行って。どれだけ迷惑かけてたと思ってるんだ!」


「は、はい! すいません、すいません!」


 てな訳で、ただいま絶賛説教中だ。


 まさに灯台下暗し。

 まさかあの落ちこぼれが第三大陸のリュート村で私に良くしてくれた村長夫婦の息子だったとは。


「本当にごめんなさい……皆に黙って出て行ったのにあんな落ちこぼれになって。もう帰れないし、帰ったところでなんて言っていいかも……ごめんなさい!」


 ビクビクと怯えながら一生懸命誤るレオン。

 とりあえずあの後一発度ぶん殴っておいたからな、慈悲はない。

 その効果からか、レオン絶賛猛反省中だ。


「ふぅ、まあいいさ。最初に出て行ったことを除けば、故郷へ連絡できなかったのは仕方がない。今回はこれくらいにしといてやる」


「ありがとうどざいます師匠!」


 ま、今となってはこいつの苦労を知らない訳じゃないしな。

 しかし、なんという偶然だろうか。

 会えるかどうかもわからない冗談半分の約束の少年が、まさか私に弟子入り志願してくるとは思いもよらなかった。

 まったく、世界は狭いな。






 その後、正式に魔導師となった私達だが、手続きがあるとのことで実働は明日からだ。

 まぁ合格したすぐそばから任務へ発進! てのもあれだしな。

 そんなこんなでいつもの食堂にて二人で食事、今日は思い出話に花が咲く。


「しかし、驚きました。まさか師匠が僕の両親やカロフにぃやリィナねぇと知り合いだったなんて」


「いやいや、驚いたのはこっちだっつーの」


 あの時は軽い気持ちで引き受けただけだからな、本当に合えるなんて思っちゃいなかったぞ。


「えっと……やっぱり、皆僕のこと怒ってましたか?」


「お前の両親は心配そうにしてたよ。リィナもそこまで怒ってない。その代わりカロフは激おこだぞ、私以上に殴られると思え」


「う、やっぱりそうですか……容赦ないからなぁカロフ兄……」


 まぁもしカロフが獣深化できて全力パンチしてきたら確実に風穴が開くな。

 しかしあいつらと別れてからもう一ヶ月以上は経つのか、私にとっても少々懐かしい話ができるな。


「あの、師匠。僕がいなくなってからリュート村が……皆がどうなったか教えてもらえませんか」


 そうだな、レオンが村を去ったのは五年前の特異点発生前だ。

 あの村、いやあの国で起きた事件を教えてやるのは私の義務といったところだろう。




 私はレオンにあの国で起きたこと、カロフ達から聞いたことや今の状況をできるだけ伝えた。


「そんなことが……特異点発生の噂は聞いていましたけど。カロフ兄のお父さんが……」


 きっと知らない中ではないだろう、あの事件では悲しいこともあった……けど。


「でも、カロフ兄は夢を叶えられそうなんだ。それにリィナ姉も……貴族だったことには驚きましたけど、ちゃんと思いを伝えられたみたいでよかったです」


 どうやらレオンもリィナの気持ちには気づいていたようだな。

 それからも私達は語り合った、気づけば外はもう真っ暗だ。

 ちなみに話す上で私が異世界人だということもさらっと言っておいた。

 転生者であることは伏せてるけどな。


「もう驚きすぎて言葉も出ませんよ……」


「まぁ今日は色々と濃厚なことが多かったからな。とにかく、お前はこの先、一度両親の元へ顔を出すんだ。いいな」


「はい、魔導師としての仕事を覚えて、余裕ができたら必ず」


 そうだ、レオンは苦難の日々を乗り越えてようやく魔導師になることができたんだ。

 レオンはもう立派に魔導師としてやっていけるだろうし、親への恩返しはここからだな。


「よし、それじゃあ今日はもう寝るか。明日は魔導師としての初仕事が待ってるぜ」


「はい! あ、でも寝床はどうするんですか? 確か魔導師にはランクごとにそれぞれ部屋があるって」


「それなんだが、まだ部屋が空いてないそうだ」


 元々部屋の増築は考えていたらしいが、次の学生の試験までまだまだ余裕があったため急遽増築を建制ギルドに依頼したらしい。

 さらに、ゴールドランクの魔導師には、個々に研究室が与えられるのだが、その場所も検討中。

 こちらとしては早く自由に研究できる場所が欲しいんだがな。


「ま、暫くはあのオンボロで我慢しようぜ」


「そうですね、というか僕、住んでる内に結構あそこが気に入っちゃってまして」


 まぁ住めば都とも言うしな。

 それに五年近くも住んでいれば愛着もわくもんだろうな。






 次の日の朝、私達はマステリオンから直々にギルド加入を認められた。


「これで加入の手続きは全部終了だ。あとはこれ、ギルドメンバーの証であり自らの身分を証明する証にもなるギルドカードだ」


「ふぅ、これでやっと魔導師を名乗れるのか」


"魔導師ムゲン ゴールド ☆"


 特殊な鉱石で作られた金色のカードには私の名前とランク、それと星が一つついていた。


「こ、これが……魔導師としての証」


 レオンのブロンズのカードの方も同じように星が一つ。

 ここから星を増やしていくわけか、シルバー以下はランクを上げるために、ゴールドはその実力を証明するために。


「これで……僕も魔導師なんだ……」


 ったく、放置してたらいつまでもここでカードを眺めていそうだな。


「よしレオン、せっかく正式に魔導師になったんだ。早速クエストを受けに行ってみるか」


「はい! 行きましょう!」


 本当に嬉しそうだな。

 まあ夢にまで見た魔導師生活がついにスタートしたんだ、はしゃぐなという方が無理だろう。




 そうこうしてる内に受付に到着だ。

 中は以前見た時と同じように人で一杯だ。

 どこか空いてるカウンターは……。


「あ、ムゲン君久しぶり!」


 お、あそこで笑顔で手を振っているのはこの依頼受付の看板娘にしてこの街にきて初めて私を振ったマレルじゃないか。


「聞いたよー試験のこと。大変だったね」


「なに、それも無事に突破して今ではこの通り」


 キラリと光る黄金のカード、これさえあれば誰も文句を言えないだろう。


「うわー、本当にゴールドだ。こりゃ連れてきたあの二人も鼻が高いだろうね」


「そういえばイレーヌ達はまだ戻らないのか?」


「あの二人は大陸の移動間が激しいからねー、まだまだかかるんじゃない?」


 そうか、改めてお礼を言いたかったがそれはまたの機会だな。


「ところでムゲン君、もしかしてその後ろにいる子が例の落ちこぼれ君?」


 そう言って私の後ろに隠れていたレオンを指差す。

 レオンの奴、この場の雰囲気に飲まれて緊張してんな。


「あああの、ぼぼ僕はこの度魔導師になったれ、レオンといいまして……いて!」


「緊張しすぎだアホ」


 ケルケイオンで頭をポカリ。

 こいつこれで大丈夫か?


「いやぁムゲン君の周りの人は面白いね。それで、ここに来たんだから依頼を受けに来たんでしょ?」


 まぁそれ以外にはマレルをもう一度口説くくらいだな。

 一度や二度で諦めるこの私じゃないぜ!

 まぁ今は依頼だけどな。


「ちょっと待ってねー、とりあえずレオン君はまだブロンズの星いっこだし、簡単なのを……」


「あら、そこにいるのはなんとか試験に合格した落ちこぼれかしら?」


 むむ! この声は。


「お久しぶりね」


 出たな典型的高飛車ツンツンお嬢様エリーゼ。

 彼女がデレる日はくるのだろうか! ではなく。


「あ、エリーゼちゃんだ、やっほー」


 いきなり現れたエリーゼに対して無邪気に手を振るマレル。

 知り合いか? と思ったが、まぁ彼女は多くの魔導師の依頼を斡旋する受付嬢だしな。


「マレルさん、いい加減その呼び方はやめてくださらないかしら」


 おっとこちらはそんなに快く思ってないご様子で。

 てかマレルが遊んでるだけだなこりゃ。


「えっと……エリーゼさん、僕達になにか用ですか?」


 おどおどと出てきたレオンがエリーゼに問いかける。

 が、その間にいつもの彼女の取り巻き達が遮るように出てきた。


「エリーゼ様があなたのような道端の石ころに用事などあるわけないでしょう」

「そもそも、あなた本当に自分の力で試験に合格したの?」

「後ろの人に頼んでインチキしてもらったんじゃなくて? どうやらそちらにも理由がおありだったようですし」


 はいはいテンプレテンプレ。

 もうなんというかお約束すぎて怒る気力も沸かんわ。


「インチキなんてしてません。師匠は、ただ僕に気づかせてくれただけです。僕が本当になりたかったものに、僕の本当の実力に!」


「くっ……! お、落ちこぼれのくせに」


 レオンの強い言葉に取り巻きがしりごむ。

 いいぞ、本当に魔導師となったことでレオンの中にも自信がついてきたようだ。


「くう、この……!」


 取り巻き達がヒートアップしてきそうだったので、一瞬身構える。

 だが、そんな彼女達を止めたのは意外な人物だった。


「あなた達、そこまでにしておきなさい」


「エリーゼ様、なぜお止めに! この凡人に身の程を教えて差し上げませんと」


「こんな場所でそのような野蛮なことをするのは不躾でしてよ。もう少し落ち着きなさい」


 彼女の冷静な対応に取り巻き達はしゅんと肩を落とす。

 なんだ? デレたか?


「なんだなんだ、庇ってくれんの?」


「馬鹿言わないでくださる? 今のはこの子達の節度のない行動を叱っただけ。わたくしも彼のことなど認めておりませんのよ」


 ま、そんな簡単に認めるわけないよなぁ。


「エリーゼさん、僕は強くなりました。もう以前までの落ちこぼれなんかじゃありません」


 目にはまだ怯えの表情が見える。

 だが勇気を振り絞って過去の因縁に決着をつけようとしているんだ。


「そう……だったら、見せてもらおうかしら。なんでしたら今から闘技場を開けてもらってもよろしくてよ?」


 こちらを威圧するように強い魔力を当ててくる。

 いくらレオンが私との特訓で強くなったからといっても、こちらは実戦経験のないヒヨッコだ。

 それに対しあちらは一年以上魔導師を経験している。

 どうする、止めるか? レオンの思いを無碍にはしたくないがここは一旦引いた方が……。


「その勝負、もっと別の形で行ったらどうだい?」


「ッ! 誰だ!」


 一瞬ここにいる誰よりも質の違う魔力を感じた方角からした声に私は素早く振り向く。

 そこには二人の人物がいた。

 一人は顔立ちの整った美青年とでもいうような男。

 そして、その後ろに隠れるように立つ黒髪をサイドテールにした少女だった。


(あれ? 強烈な魔力を感じた気がしたが……気のせいだったのか?)


 私が違和感を気にしてたら、いきなり横からレオンが飛び出した。


「リオウ君! シリカちゃん!」


 レオンは大はしゃぎで彼らの元へ向かっていく。


「久しぶりだね! 元気そうでなによりなよ!」


「そっちこそ。聞いたよ、試験のこと。おめでとうレオン君」


 そうか、あの二人が以前レオンが言ってた友人か。

 感動の再開ってとこか……あれ、なんか忘れてるような……。


「戻っていたのね……リオウ・ラクシャラス」


「キミは相変わらずのようだねエリーゼ」


 おっと忘れてたぜ。

 おおう、なんだかこの辺で火花がバチバチしてる感じだ。


「それで? あなたの言う別の形とはどういうことですの?」


 あ、それは私も気になった。


「エリーゼ、魔導師に成り立てのレオン君に経験者であるキミが闘技場での魔術戦を申し込むのはフェアじゃないと思ってね。負ければ星を失うし」


 星を失う……そうか、魔導師になったばかりのレオンには星が一つしかない。


 闘技場で負ければ星が失われる。

 つまりブロンズで星一つのレオンは即ギルド脱退ということだ。


「実力のない者は消える……それだけですわ」


「そんなことは俺がさせない」


「ふん、いいですわ。言って御覧なさい、あなたの言う勝負形式を」


 その言葉を聞いたリオウはニヤリと笑い、勝負の方法を話す。


「簡単さ、二人が同じクエストを受けてどちらが早くそれをこなすか競うんだ」


 なるほどそれなら公平だな。


 受けるものによっては運の要素も絡んでくるだろうが、いきなりの直接戦闘よりは全然ましだ。

 これなら星が減る心配もほとんどないしな。


「そして、その依頼は今君が受けているもの……それでどうだろう」


「なっ! あなたエリーゼ様の手柄をそこの落ちこぼれに与えようとしてるのね!」

「貴族のくせになんていやらしい」


 うるさい外野だなぁ……。

 むしろ貴族の方があれやこれやの汚い手で誰かを貶めてるイメージだし。


「あなた達、お黙りなさい。いいですわ、元々この依頼はギルド全体に発せられた指令……止める権利はわたくしにはありませんわ。それにこの依頼、あなた達にこなせるとは思いませんもの」


 そう言葉を残して彼女達は去っていく。


「大変なことになっちゃったねームゲン君」


 まるで他人事のように軽い口調で話すマレル。

 まぁ彼女には本当に他人事だからな。


「ありがとうリオウ君。本当に助かったよ」


「君こそ本当におめでとう。ついにやったんだな」


「おめでとうございますレオンさん」


 こっちはこっちで積もる話でもあるようだな。

 あっちの子なんてレオンの手を握っちゃってまぁ……ぶっ飛ばしたろかレオン?

 くそー! 羨ましくなんてねーぞちくしょー!


「ところでレオン君、そろそろ後ろの彼を紹介してくれないか。多分、噂のあの人だろうけどね」


「あ、そうだね。二人にも師匠のことを紹介したいし、ゆっくり話せる所に行こう」






 そんなわけでいつもの食堂だ。

 レオンは私に弟子入りしてからのことを二人に細かく話している。


「ということで、彼が僕をここまで導いてくれた師匠の」


「無神限ことムゲンだ、よろしく」


「リオウ・ラクシャラスです」


「し、シリカ・ラクシャラス……です」


 堂々とした兄と萎縮する妹ってとこか。

 シリカは初対面の私に怯え、兄に助けを求めているようだ。


「はは、すいませんね、シリカは人見知りで」


「別に構わないさ」


 そんな感じで私も少しづつ彼らと打ち解けていった。

 やがて思い出話も少なくなってきたとこで……。


「さて、リオウ。お前が提案したクエストクリア勝負だが、内容を詳しく聞きたいな」


 やるからには勝ちを狙いたい。

それには今回の依頼がレオンでも達成できるかどうかにかかっている。

 曲りなりにもシルバーランク上位の人間が受ける依頼だ、そんなに簡単ではないだろう。


「実は、今回の依頼はそもそも明確な目標点が存在しない」


 どういうことだ?


「内容について説明する前に……『迷宮ダンジョン』について知ってるかい?」


「中央大陸各地で発見されてるあの?」


 わーお、ついにきちゃったよ。


 各地の『迷宮ダンジョン』と呼ばれるものは全部私が前世で作り上げた秘密の酒蔵なのだ。


「実はこのブルーメ近郊にもその一つが発見されていて、ギルドのメンバーや各地のつわものが集まってきている」


 そうか、この近くにもあったのか。

 どうにかして中身を回収したいところだな。


「でも今そこである事件が起きているんだ」


「事件?」


「そう、そこへ向かった魔導師数人が何かに襲われ大怪我をして運ばれてきたんだ」


 ……なに?


「えっと……どうしてそれが事件なの?」


「今までダンジョンはそこまで怪我をするような仕掛けは余り存在せず、進行を妨害したり侵入者を追い返すような仕掛けとモンスターだけだったんだ」


 そう、私が作り上げた迷宮は決して人を傷つけるためのものじゃない。

 酒へ近づけなくするための優しいトラップばかりのはずだ(ドラゴス等の超実力者にのみ発動するものを除く)。


「つまり今回の依頼内容は『謎の襲撃の原因の究明、又は解決』ってとこか」


 つまりこれは私の迷宮で好き勝手暴れてる奴がいるってことだ。


「で、でもそんな高度な依頼、僕がこなせるかな……」


 ったくさっきまでの自信はどこへいったのやら。

 でも確かにこの依頼はレオンにとってはちとキツくないか?


「その点は大丈夫、このクエストには人数の制限がない。つまりチームで行っていいんだ」


 お、それはいいことを聞いた。


「えっと、でもそれっていいの? これって僕とエリーゼさんの勝負じゃ……」


「な、仲間と一緒にクエストを達成するのも、魔導師としては一般的なことですから!」


「そうそう、シリカの言う通り。それに向こうだって取り巻きを連れて行ってる。ずるくはないさ」


 まぁ向こうはシルバー以上がエリーゼのみ。

 対してこちらはシルバー以上が三人もいるというのは少々卑怯かもしれない。

 だが勝負の世界は非常なのだ、少しでも手を抜けば一瞬でやられるからな。


「でも、これでやっと二人と一緒に魔導師として任務に行けるね!」


 レオンは本当に感情が表に出やすい。

 ずっと楽しみにしていたことだろうしはしゃぐのも無理はないだろうけどな。


「そのことなんですけれど……すみません! 私達はこれから別の任務があって……」


 物凄く寂しそうに俯いて、レオンへとペコペコ誤るシリカ。

 レオンも残念そうにして。


「そう……なんだ。まぁ仕方ないよ。大丈夫、機会はまだまだこれから沢山あるだろうし」


「そ、そうですよね」


 なんだ? シリカの表情は笑顔なのに私にはどこか辛そうに見えた。

 前世でも……こんな感じの表情をしてた奴がいたな……性格は魔逆だったけど。


「大丈夫だよレオン君。僕達が一緒に戦える日はきっとすぐに来るよ」


 そんなしょぼくれる妹とは裏腹な兄。

 彼は期待いっぱいの眼差しでこちらを見ている。


「レオン君が元気になって本当に良かった。きっとあなたのような良い師にめぐり合えたからでしょう。あなたとも今後は一緒に戦っていきたいですね」


「もちろん、皆で一緒にいこう! ねぇ師匠……師匠?」


「……ん? ああすまん、ボーっとしてた。そうだな、機会があれば」






 こうして、次の任務に向かう二人と別れ、寮へと戻る帰り道。

 友人にいい報告ができてウキウキなレオンを横に、私は今日出会ったその二人のことを考えていた。


 妹の方は人見知りなところがあるがかわいくて気配りもできる、 レオンには勿体無いくらいいい子だな。

 ただ……何かを心の内にしまいこんでいる、そんな感じがする。

 そして……兄の方、別に悪い人間には見えない、むしろ凄くいい奴だと思う。

 あいつの眼差しからはとても強い意志を感じる。

 だが、それが逆に気になる……どこか危うい、そんな気がするのだ。


 ま、2000年の人生経験によるただの勘でしかないんだけどな。

 なにはともあれ、明日からは迷宮対策だ、私の迷宮を荒らす愚か者を必ずとっ捕まえてやるぜ。


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