第5章予告
>PLAYBACK:START
これは僕の物語で、きっと始まったときからそうだった。でもそれまでの自分はただ情報の熱と波に流されて、ただ物語の傍観者であることを気取っていた。けれど、眠れる獅子が目を覚まして、獲物に牙を立てることを僕達の前で宣言したとき、僕は既に語り部である僕をやめていた。
そうだ、はじめからそうだった。喧騒、悲鳴、流血――街角の天使の歌声。全てが僕の因縁を、後ろに後ろに押しやっていて、いつかその中で酔っていた。来るべき『とき』はいつか来る、それまでにこの焦燥を片付ければいい。ただそう考えていた。
だけどそれは甘かった。僕の中の何かが傷んで、心にガラスが食い込んで、生暖かい血がどろどろ流れ出た時点で、運命は残酷なグラウンド・ゼロへと動き出していたんだ。
今から僕がやることは、そいつに爪を立てること。あの人や、あの人がやったように、僕が、僕自身の手で、物語を破壊することを選ぶこと。おとぎ話につばを吐き、僕は――彼女を取り戻すことを決める。
きっとそうなる。
他ならぬ、僕が決める。
この腕に宿る衝動は、きっとそのためのものだから。
――次章。
『グッバイ、イエロー・ブリック・ロード』。
そして、あなた達に、サヨナラの花束を。
>TO BE CONTINUED...
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