種族について①
十年前、魔人・ディプスによってロサンゼルスの上空から降り注いだ短剣は、のちにアンダーグラウンドと呼ばれる場所に居た多くの人々を 人外の存在へと変貌させました。今回はそんな「アウトレイス」について簡単に解説しようと思います。
なお、この種族の選別に関しては完全にランダムであり、ディプス自身もそこに作為はありません。
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まず種族その1「モロウ」。 これは簡単に言えば、「動物人間」です。動物と言っても、鳥から昆虫まで幅広く。この種族となった人間は、モチーフとなった生き物の習性を持つようになります。
どのような動物となるかはその人間個人のメンタリティが関係しますが、モロウに変貌後は更にその生き物の習性の影響を受けるようになります。 凶暴な肉食動物がモチーフであれば……暴力的になりやすい、と言うように。
この種族となった者は、普段から自分自身の獣性というべきものと戦うことを強いられます。外面上の姿も、 獣性を抑え込めれば抑え込められるほど人間のままですが、暴走すれば動物そのものとなってしまいます。
獣の力と心を持ちながら、普段は人であれるかどうか。それはその個人の精神的な強さに関わってきます。第八機関所属のミランダ・ベイカーは「鷹」のモロウです。彼女の、時として真相を射抜くような容赦のない言動は、その鋭い「鷹の目」が影響しているのかもしれません。
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種族その2は「テロド」です。 この種族となった人間は、身体になんらかの無機物や機械の性質を帯びるようになります。たとえばそれは液晶テレビであったり、ラジオであったり。はたまた銃器であったり……あるいは、鉱石であったり。
どのようなものとなるかはその本人の潜在可能性に依っており、その身体の性質もそのモチーフとなる無機物と同等になります。つまり、身体にコードがあれば同じコード同士接続することが出来るようになりますし、 銃器であれば普通の銃器と互換性が生まれるようになるというわけです。
この種族として特徴的なのは「食事」が大きく異なるということが挙げられます。つまり、無機物が必要としている動力こそが彼らの食事となるのです。ゆえにアンダーグラウンドの多くの飲食店では、彼ら用に専用の酒類(つまり、純度の高いオイル)や食料(電池など)が備えられています。
モロウと同じように、彼らもまた元になったモノに大きく精神的影響を受けてしまいます。凶器が身体に備わったものであれば、その精神はそれを動かすための凶暴性を得るようになってしまいます。その精神をコントロールするためには、自身の力を「使いこなす」必要があります。
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種族その3、「フェアリル」。 その名の通り、妖精のごとき美しい容姿を持つ種族。 その特性は、「他者との肉体的接触を通して、相手に何らかの作用を与える」というものです。
たとえばグロリアは相手に口づけすることで、体内に入り込み、 その肉体の操作権を奪うことが出来ます。同様に、様々な物理的接触で相手に「魔法」をかける……まさに妖精のごとき種族なのです。
この種族は一般的に男女ともに極めて美しい容姿を持っていますが、それは「相手を魅了し、肉体的接触を容易にするため」の変化であり、必ずしもはじめから美しい容姿をしていたわけではない、ということも留意する必要があります。
そして何よりこの種族のデメリットとは……「肉体的接触がそのまま何らかの作用を相手に与えてしまうため、接触そのものが制限されてしまう」 ということです。美しい容姿で街を歩く、彼、彼女。そんなフェアリルの裏側には、他の種族にない苦悩が隠されているのかもしれません。
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