第13話:翌日
朝一番、ロコの言うとおり一つのお触れがでた。
曰わく、ゴンドラ転覆事故の多発はゆゆしき事態だが、各自に厳密な検査を義務づけることでゴンドラの運航を許可する、とのことだった。ちなみにそのゴンドラは新型でも従来型であっても可能であると。
それを聞いたミィは一体どんな手を使って男爵にこのようなことを言わせたのだろう、と不思議に思った。まあ、ロコは口も達者だし、きっと造作のないことだったろう。
日が昇ってから、ミィは約束通り書類を父に渡した。すると、
「…この封蝋。ミィ、お前まさかロコ殿に会ったのか?」
「え?お父さん、ロコのこと知っているの?」
ミィも見慣れない刻印の封蝋はどうもロコのものだったらしい。それも驚きだったが、何よりも驚いたのは父の口からロコの名前が飛び出したこと。
父は懐かしそうに目を細めた。
「ああ、お前ぐらいの歳の頃によく会っていた。あの人は元気か?」
「私ぐらいって…、ちょっと待ってよお父さん、ロコって私と同い年ぐらいよ?」
「そうか、あの人はやはり歳をとらんか…。そうだよな、あの人は魔導師で、このマーコムの開祖を支えたという伝説の人だからね…」
「え、開祖って、そんな数百年も前じゃない!あいつ何者なのよ」
「気になるなら開祖の日記を見てごらん?あの人のことが書いてあるから」
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