『本当に分かったの?』
「ところでシャナ。あんたどうしてここにいるの?
アニマムンディに保護されてたはずでしょう?」
マリンが問い掛けるとシャナは、自分を指差し次にマリンを指差し左手を広げて右手で左手の手のひらを撫でると、マリンを見つめて微笑んだ。
これがクラスで三人の言っていたジェスチャーなのだろう。
(ん? 私と一緒に勉強したかったから?)
シャナのジェスチャーからマリンはそう解釈した。
「そ……、そう……。よくそれでアニマムンディが許してくれたわね……」
「ねぇねぇマリン。今ので本当にわかったの?」
クレオがここぞとばかりにユーリから逃げて、マリンに話し掛けてきた。うまく逃げたなと内心でほくそ笑みながらも、ユーリの追撃が来る前に話に乗ってやる。
「『私と一緒に勉強したかった』じゃないの?」
自分が感じたままに答えてシャナを見ると、シャナは不満そうに唇を尖らせて頭を左右に振った。
「『シャナちゃんの保護観察をマリンが受け持つってことで許可が下りたんだよ』っていったんだよ? ね」
クレオがシャナを見ると、シャナはニコニコと笑ってコクコクと頷いた。
「あんた、あのジェスチャーでそれが分かったの?」
マリンが分からなかったのをクレオが分かっていたのがなんだか悔しくて、マリンはクレオに問い掛けた。少し口調が強くなってしまったことに、我ながら大人気ないなと内心で反省をした。
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