『良く寝てる……』
三人は町の人たちが全員船に乗ったのを確認した後、軍艦に便乗させて貰うことにした。
この間の巡洋艦と違い、戦いに特化した軍艦だったため外観は大きな大砲や機関銃、ミサイルなどを何基も搭載していたが、ここは民間人の保護区域のためか、やわらかそうな座席が並んでいて、新幹線くらいには快適そうだ。
タロットのメンバーはいない。犯罪者として隔離されているのだろうと思ったが、シャナは最後尾に毛布で包まれたままで座らされていた。体力が戻らないのか、座ったままでぐっすりと眠っている。
マリンはホッとすると、無意識に頬が緩んでいるのを自覚しながらも真顔を造る理由もないためそのままでシャナの隣に座った。
ユーリがシャナとは反対側のマリンの隣に腰を下ろし、クレオは通路を挟んだ隣の席に腰を下ろした。
「よく寝てる……」
マリンはシャナの頬をつついたが、シャナは規則正しい寝息を乱しもしない。
二人も微笑みながらシャナの顔を覗きこむと、微笑ましそうな笑顔を向けた。
この旅で、新しい友達がまた二人も増えた。
そう思ったら、達成感が込み上げてくるのと同時に、アニマムンディの艦であると言う安心感も重なってか、緊張が解れていくのを感じた。
艦内に、なにかを伝える義務的なアナウンスを聞いた気がした。
それを最後に、マリンの意識は途切れて行った。
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