『うわっっと!』
金髪の少女が大砲のような波動弾を放って迎撃してきた。それと同時に三人は分断して、三つの方向から少女に詰め寄る。
クレオが右からユーリが左から、マリンは正面からだ。
金髪の少女は三人に順次に視線を向けると、近付けまいと続けて砲撃を放ってくる。
クレオが波動を纏い、右から回り込んで金髪の少女を固めようとするが、金髪の少女は右手を差し出して波動を撃ち放ち牽制する。
「うわっっと!」
クレオが短く声を発しながら大きく右へ飛んでそれをかわすと、今度は左からユーリが跳躍して躍り掛かる。少女を切り裂くつもりなのか大鎌を大きく振り上げているが、少女は左手をユーリに向けると躊躇いなく砲撃のような波動弾で迎え撃った。
ユーリは大鎌で砲撃を切り裂くが、真っ二つに切られた砲撃がユーリの遥か後方で二つの爆発を起こして岩山を撃ち砕き、その
衝撃波でユーリ自身も吹っ飛ばされた。
その隙にマリンは正面から駆け寄り、魔道具から波動の弾丸を少女に向けて放出した。
少女はマリンの放つ波動の弾丸に自らも波動の閃光を放って迎撃する。
二人の波動が真っ向からぶつかり合い鬩ぎ会うが、マリンの放つ波動のほうが強く、徐々に少女を追い詰めていく。
借り物とは言え、マリンはこの波動に自信があった。少女の波動がどんなに強くても押し返せると想定していたのだ。
少女が攻撃の軌道から逸れたところを一気に畳み掛けようと、右に避けるか、左に逃げるか伺っていた。
だが、少女は回避するどころか、自分の身を守る素振りさえ見せない。
それ以外の選択肢がないのか、思考がないのか、少女は叶わないことを悟っているだろうに、一向に避けようとはせず、ただひたすらと波動の放射を続けている。
このままだとマリンの放つ波動が少女を撃ち抜いてしまう。退避しようとしない彼女にマリンの方が気を焼いていた。
直撃したら彼女の体くらい粉砕してしまう威力があるのだ。
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