第4話 四角関係?
「利斗ー?おとなしく寝てたのー?」
ガチャ。母が帰ってきた。
「あら?まだ寝てるの。夕飯できたらお越しにくるからねー」
—あっぶね。これから、マジどーしよ。
キャンディ半分にしたら効果が半分になるとかないのかな?さすがに12時間じゃ学校も行けねーし、夜中じゃ意味ねーし。
でも、もし失敗したら1つムダになっちまう。早く夏休みきてー!
考え事をしてるうちにもうすぐ19時…半日がたつ。
—そろそろ時間だ…。あ、光が…!
スーっと利斗の体から光が抜けた。光はキラキラと輝きながら夜空に向かって消えていった。
「利斗ー?ご飯食べれるのー?」
ガチャ。
「起きた?体調どう?」
「あー、1日寝てたからだいぶ良くなったよ。明日からは学校行ける」
「そ、じゃご飯食べなさい」
ガチャ。
—戻ったー!戻る時はそこまで眩しくないんだな。あ、そっか…星の輝きが消えたってことか…。なんか切ないな…。
利斗は自分の手を見つめ考えていた。
朝
「いってきまーす!」
利斗はいつも早めに家を出る。
そしてゆっくり歩く。そうすればいつも…
「利斗ー!おはよー!」
笑顔で走り寄ってくる奈央に会えるからだ。
「おはよ。朝から元気でなによりです」
つい、クールぶってしまう。本当は嬉しくてたまらないのに。
「冷めてんなー。かわいい顔してるくせにー!」
ほっぺをツンツンしてくる。こんな事するのはオレにだけ…オレは特別。そう…弟みたいに…。
「うっせーな。オレだってあと4.5年もすりゃ、奈央なんか見下ろせるんだよ!」
「4.5年って長!!早く大きくなりなさい!
あ、そういえば昨日利斗に少し似てる人に声かけられた!」
「え!?誰?」
—ヤバ。アホだと思ってたのに意外と鋭い!
「西中の2個上?とか言ってたけど、わからないやー。友達になってっていきなり言われて焦ったよー」
—だよな。知らないヤツにいきなり友達とか引くよな…。
「でもね、男の人に友達になってって言われたの初めてだから嬉しかったの…。あ、でも1番は利斗に似てたからオッケーしちゃったんだよねー!」
えへへーと笑った。
—オレに似てたから?マジか。すげー嬉しい。でも、なんかムカつく。
「どした?顔赤いぞー!!照れてんの?利斗も成長したらあんなイケメンになるのかなー。あ、今もイケメンか!笑」
「うっせーな!で、先輩やめてそいつにすんのかよ?」
「やめないよー。先輩に振られてもいないし、初めて会った人の事好きにならないよ!しかも連絡先もしらないしね。あ、蘭子だ!じゃ、利斗またねー!」
笑顔で手を振りながら蘭子のところへ走っていく奈央。
—奈央…。もう背中をみてるだけは嫌なんだ。今は先輩が好きでも、必ずオレの事を好きにさせてみせる。
て、連絡先知ってたから聞かなかったー!!
アホだ。連絡したらオレからになっちゃうじゃん!携帯2台持つ余裕もねーし。これからどーすんだ…オレ。
「いつもあの人の事見てるね」
後ろから声がした。
振り返ると桜井がいた。
「ただアホだから転ばないか心配で見てるだけだよ」
いつもの笑顔をみせる利斗。
「クスッ。お姉さん的な人ドジなんだね。いいなぁ利斗くんに心配されるなんて」
—オレを覗き込んで上目遣いで見てくる。
それは奈央だけでいい。
「遅刻するから行こう」
また笑顔を向けた。
「そうだね!」
—遅刻なんかしないよ。いつもあの人に合わせて早めに家出てるの知ってるんだから。
だから私も早く出てきてるのに。利斗くん頭いいくせに鈍感。クスッ。
—こいつわざと早くでてきてんのか?
あわよくば奈央との事邪魔する気で…。オレをなめんなよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます