第2話 星屑のキャンディ
その日の夜、利斗は夢をみた。
流れ星が利斗の部屋へ飛んできて、利斗の部屋は光に包まれた…。
その光の中から声がする…すごく優しい。
だけど、近くにいるようで遠くに感じる声。
“僕にお願いをしたのは君…?
君の願いを叶えてあげる…。”
すごくキラキラした小さなかけらがたくさん光っていた
“これは星屑のキャンディ…。このキャンディを食べれば君の願いは叶うよ…。
キャンディは全部で30個…
1つで半日しかもたないよ…。でも、この事は内緒だよ…誰かに話したらキャンディは消えてしまうから…。”
そう言うと光は利斗の机の引き出しに消えて行った。
朝、目覚めた利斗。
—なんか、昨日すげー変な夢みた気がする…。
星屑のなんとかって言ってたなぁ。流れ星の願いかぁ。そんな夢まで見ちまうなんて、本当にオレって奈央のこと…」
!!!!!?
机の引き出しを開けると、星型のキラキラしたケースが入っていた。そのケースを恐る恐る手に取る。
—うそだろ?これって…まさか。
蓋を開けてみると眩しいくらいに輝くの銀色の石のかけらみたいな物が入っていた…。
—これが星屑の…?なんだっけ…?
昨日の夢をもう一度よく思い返す利斗。
“星屑のキャンディ…。効果は半日…誰にも言ってはいけない…”
—そうだ!星屑のキャンディだ!本当にこれで願いが叶うのか…。おとぎ話じゃあるまいし…。疑いつつも、恐る恐る一粒食べてみた。
「あま〜♡って普通のアメじゃん!てか誰だよ。オレの机に勝手に入れたのは!」
アメは小さなかけら。すぐに舐め終わった。
すると、利斗の体がキラキラ光だした。
—え?オレ光ってる!!なんで!?
そして体中が光に包まれた。
「うわぁー!!!!」
そして、光は消えた…。
—今のなんだったんだよ。また夢?オレ二度寝した?
着替えようとクローゼットに向かう。なんか視界が高い。手にも違和感。なんかゴツゴツしてる…。
なんとなく、鏡を見てみる。
「うわぁーーーー!!!!誰だよー!」
「利斗ー?朝から騒いでどーしたのー!?」
—やべ、母さんがく来る!
ガチャ。
「利斗!起きてたんじゃないの?なにまた布団にくるまってんの!」
「母さん…。急に頭痛と吐き気が…」
「あら、風邪かしら?病院行く?学校はどうするの?」
「いや、病院は大丈夫?寝てれば治るから、学校は休むよ。母さんは心配しないで仕事行って!」
「本当に大丈夫なの?声も変だし風邪かしらね…。ちゃんと寝てなさいよ!」
ガチャ。
バッサーッと布団から出てきた利斗。
もう一度鏡を見てみる…。
—やっぱ、これオレだよな…。面影はある!
まさか、あの夢って本当の事だったのか…。
落ち着け。お落ち着け!これも夢だ!
頬をつねってみる。
—痛っ!やっぱり、夢じゃない…。
や、やったぞ!願いが叶ったんだ!
見た感じ18歳くらい?顔も大人っぽくなってる!!これは、奈央にアタックできるチャンス!?
よし、母さんが出かけたら早速奈央の元へ…。てか、服がない!今の服じゃ小さすぎる!てかオレ、今身長何センチだ?
身長が伸びた事が嬉しくてたまらない利斗。
ルンルンと部屋でスキップしていた。
そして思いつく。
—あ、父さんの服でも借りてくか!
父は37歳。まだ、そんなおっさんじゃないので、服もオシャレなのだ!
そして、なんとなくバレないように伊達メガネをかけ奈央のもとへ走り出した利斗なのでした。
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