動乱5 部屋に入り座ると、女将がお茶を出して部屋を出て行くと、源蔵が監察でおいでなさつたのかと聞くので、まあ、そんなもんですと言うと、この時期に赴任されると言う
動乱5
部屋に入り座ると、女将がお茶を出して部屋を出て行くと、源蔵が監察でおいでなさつたのかと聞くので、まあ、そんなもんですと言うと、この時期に赴任されると言う事なのでみんな、
は煙たがっていますと言うので、何か江戸に知られてはまずい事があるのですかと聞くと、人でが足りず奉行所では手をあましているのです、特に長州、土佐、の者どもが過激派の公家、
とつるみ、
攘夷をたきつけているのです、奉行所は手がだせませんと言うので、公家の屋敷の中は分かりますが、町中の狼藉は取りしまらなければなりませんと言うと、浪人も含めて相当腕の立つ、
連中がいるのですと言うので、しかし、このままにしておけば幕府の威信は地に落ちますと言うと、市中警備は役人では無理です、なんとか増員を願い出ているのですがと言って、何か、
あれば、
私に繋ぎをとってください、わたしが神埼殿との連絡係りですと言うので、彦根藩の長野主膳は何処にいるのですかと聞くと、伏見の寺田屋に逗留して、関白近衛様への根回しをしてい、
るそうです、朝廷の幹部は若手から突き上げられているのですよと言ったのです、長州は久坂玄瑞、土佐は武市半平太、薩摩は西郷吉之助、越前橋本佐内、水戸藤田東湖、等が京都で、
暗躍しています、
土佐の岡田以臓、薩摩の中村半次郎には気をつけて下さい、裏では何人も人を切っているそうですと言ったのです、後でテカを差し向けます、京の情勢を良く知っていますので聞いて、
下さいと言うと帰って行ったのです、女将が1人の男を連れて来て部屋に入り、闇夜の半助ですと言うので、元は盗っ人かと聞くと、ヘイ、今は町奉行所のテカですと言うので、闇夜、
でも目が利くのかと言うと、
ハイ、と言うので、何しろ右も左もわからぬ、宜しく頼むよと言うと、まかしておいて下さい、同心と言うのは、まずいですので、十手はここにおいてください、江戸から流れて来た、
浪人と言う事が良いですと言うので、わかった、どうやら奉行所は役目につけないらしいので、ゆつくり、京見物でもするかと言うと、幕府でも開国派と攘夷はが分かれているらしい、
ですがと言うので、
おまえはどう思うと聞くと、この状態で攘夷等できるわけはありませんが、それを言うと攘夷派の連中から切られますと笑うので、そうだな、本当にこの国を思うているのが何人いるか、
疑問だな、お前も気をつけろと言うと、どうやら新太郎の旦那も私と同じ意見のようですねと言ったのです、さて町に出てみるとするかと言うと、連れ立って町に出たのです、ここは、
賑やかな場所だなと言うと、
なんと言うても京の真ん中ですからねと言うので、歩いていると浪人と思われる連中が沢山います、奴らはどうやって糧を得ているのだと聞くと、長州と土佐にくついて金を貰っている、
のですよと言うので、金をばら撒いて味方にしているのか、その武市と久坂は随分金を持っているのだなと言うと、藩を牛耳っているそうです、公家もその金で踊らされているのですよ、
と言うので、
幕府も金を使えば良いではないかと言うと、調停工作に金なんか使いませんよと言うので、それが命取りになるのだよと言ったのです、金が使えないなら、何とかして長州と土佐の仲が、
悪くなるように仕向けるしかないな、それには薩摩をかませれば良い、西郷とはどんな奴だと聞くと、体は大きい男で威圧感があります、薩摩は近衛様と姻戚関係がありますので、過激、
な者は少ないようです、
多分西郷が抑えているのでしょうと言ったのです、傍の居酒屋に入り酒と肴を頼み半助と飲んでいると、傍で飲んでいた浪人が見慣れない顔だがと言うので、今日江戸より着いたばかり、
だと言うと、ほう幕臣かと聞くので、浪人だと言うと、何しにと聞くので京見物だと言うと、この国家存亡の時に京見物だと、おぬしはおかしいのではないかと言うので、そなたはと聞、
くと、
わしも江戸の浪人だ、国家の危機に瀕して京都にかけ登って来たのだと言うので、開港した事が国家存亡の危機なのかと言うと、当たり前だ外国等打ち払わねばならんと言うので、刀で、
かと聞くと、そうだと言うので、黒船は刀では切れんぞ、鉄砲に刀は勝てんだろう、かの武田騎馬団が信長の鉄砲に壊滅したではないかと言うと、お前は開国派だなと言うので、話を摩、
り帰るな、
どうやって打ち払うか聞いているのだと言うと、おまえはどうするのだと聞くので、あの黒船を我が国で作り、外国に勝る大砲、鉄砲を作りうちは払うのさ、蒸気機関さえ作る事が出来、
れば、簡単だ、いいか蒸気とはやかんの蒸気と同じだ、大きな蒸気釜を作り火をたいて蒸気を発生させて、これで外輪を回して進むのだよ、一時に4里は進む事が出来る、こんな事も知、
らないで、
異人を打ち払える訳がないと言うと、あんたは学者かと聞くので、学者でなくてもこれ位の事は知らなければならん、よく外国の武器や道具を学んで、国事に奔走するのだなと言うと、
奥に座っていた男がなる程、言われる事はもっともなことだ、よく勉強していなさるようだ、私は肥後の川上源才と申すと言うので、江戸浪人、神埼新太郎と申すと言うと、それでは、
又と言うと、みんなが出て行ったのです、
傍に男が来て長州の久坂玄瑞と申す、少し話しがしたいのだがと言うので、わかり申したと言って、半助先に帰っていろと言うとも立ち上がり、着いていくと二階の部屋に連れて行っ、
たのです、座敷に座ると酒を注ぐので飲み干して、何か用で御座るかと聞くと、桂小五郎ですと言うと、そばにいた者が挨拶するので、神埼新太郎ですと言うと、先程の蒸気船の事で、
すが、
我が国で作れるのですかと聞くので、図面があれば作れると言うと、してその図面はと聞くので、外国では町で売っているそうだ、それを翻訳すれば良いと言うと、長崎では手に入る、
のですかと聞くので、勿論手に入るというと、我が藩も外国に勝る船、武器を手にいれようとしているのですと言うので、幕府が神戸に操練所を作ると言う事だ、そこに藩士を派遣し、
て学ばせる事だな、
さすれば船の構造、蒸気船の構造も分かるだろう、攘夷も結構だが、今の各藩の力では叩き潰されて、清国のように領土を占拠されるのが落ちで御座ると言うと、なる程軍備の増強で、
すなと言うので、それでは幕府に大型船の建造、武器の保有を許可させるしかないと桂が言ったのです、京都の公家をたきつけてもどうする事もできませんなと言うと、いや公家は、
将軍を動かす力をもっている、
そうしなければ、今までと同じで親藩のみで政を専横して、外様に大型船や多量の武器の保有は認めないだろう、挙国一致の政が出来るようにする為には朝廷を動かす必要があると久坂、
が言ったのです、中々良い事を聞かせてもらいました、今後は懇意にしてもらいたいと言うので、まあ、あまり過激にならずに国事を語りなされと言うと、席を外して店を出たのです、
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