4


1


さくら浴び園児迎える黄のバスは飾りのままに坂を下りたり



2


上の句につぼみ書きつけ春待つも下句の頃にはとうに散りたり



3


手を触ればすでに悲しや今宵去る細魚の如き彼の背ぼねは



4


空向いて愛する人の名を呼べばわが身のうちにこだま還りぬ



5


席つけば窓の夜景は流れ出し愛する名古屋へワープ始まる



6


相談をあいそ笑いで断ち切れば雨は強まり窓を叩いた



7


眼を開けばもう悲しいな細魚のごとき彼の背骨よ



8


仕事退き階下で笑う父と母子供の知らぬ二人の声で







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