3



若人は吾の知らぬものを見聞きし分からぬことを為す ただ遠い




ざわめきが一気呵成に押し寄せた卒業の日 今は去りし日




つまずいて抱える膝にとんぼ乗る時は停まれり幼き記憶




「でもだってそういつだって」かの人を懐古す声は美しきもの




君オレでライバルなのだわが友よそっと抱きしめ体温で煮る




ひとさまに断りいれず子育てか土鳩よここは人間の巣だ



7


この冬の吾を見守りし看板は気づけば知らぬ横顔になり



8


「どうしたの」玄関見れば事も無し 寄る辺なくある猫の足あと


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