Chapter9 『行くぞ』 9-7
スピードを落とし。 車を走らせた。)
『初めて“闇”に出会った、あの日から・・。』
『僕は・・。 そんな日常を過ごしたことは無かったから。』
『誰にも、同じ経験をさせたくない。』
***
(夏樹の脳裏に、淡い記憶の断片が。 途切れ途切れに
フラッシュバックの様に映った。)
ゴォッ
『辺りは、ただ一面の暗闇。』
『そこがどこかは思い出せない。』
(幼い夏樹の、深い紺色の髪は、滴に濡れていた。)
(小学生程の夏樹が、大きく、紺色の瞳を恐怖に開く。)
「・・あっ!」
(暗闇は、小さな夏樹と共に、目の前に立つ人物を押し流した。)
(その人物が夏樹に触れていた温かな手は、一瞬の内に、夏樹から離れた。)
「母さ・・。」
***
『僕が思い出せる、最後の瞬間に。 暗闇に消える母の手に、
銀の指輪が光ったことが。 印象に残っている。』
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