Chapter6 『執事の本音』 6-13

『それは義務ではなく。 一番の望みではございませんか?』


『しかし。 時に、強い願いを叶えるためには。 失うものがあるのでございます。』


『私の力が、記憶と共に。 一番大切な思い出を消してしまうように・・。』


(橘は、言葉にせず。 静かに柔らかく微笑んだ。)


「聖様。 お二人とも、もう高校生でございます。 過度な干渉は、


嫌われてしまうのではございませんか?」


「それとも、夏樹様が反発されることを、お望みですか?」


(聖は、朝の光に眩しそうに目を細め、微笑んだ。)


「橘、お前は僕のことを良く分かっているな。」


(寄りそう、橘の。 襟元の赤いピンバッジには、FOT No.0-1と刻まれている。)


「約束・・でございますか。」


(そう呟いた、橘のネクタイピンと。 同じ銀の鍵が、

聖の左手にはめられた指輪に付いていた。)


(プライベートガーデンへの合い鍵は、水やりの為、橘だけが持っていた。)









『執事の本音』

Chapter6 End


Fragment of Time・・・時の欠片の道しるべ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る