Chapter6 『執事の本音』 6-11

「後で、夏っちゃんに届けてもらいたいものがある。」


「何でございましょう?」


(二人は、ガーデンを後にしながら、話した。)


「静乃君と僕の共同制作。 あと少しで仕上がるから、空間通路を通って。 

分室から、夏っちゃんの乗る公用車に届けておいてくれ。」


「畏まりました。 しかし・・。」


「そのような贈り物。 夏樹様が受け取りますでしょうか?」


(大方予想が付いた橘は、苦い表情で微笑んだ。)


「んん?」


「大丈夫。 かわいく作ったから気に入るはずさ。」


「左様でございますか。」


(自信満々に嬉しそうな聖を見て、橘は微笑んだ。)


「私が思いますに・・、夏樹様が気に入られるか。 見た目の問題では無いかと


思われますが・・。」


「そうかな?」


(聖は気づいていないようだった。)


(橘は、思い返すように、話し出した。)


「どこにいても迷子にならないようにと。 この前お渡しになった、


子犬型の発信機も・・。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る