Chapter6 『執事の本音』 6-9
(カラフルなスニーカーに半ズボン。 お気に入りのかわいい帽子は、
部屋でもかぶっていた。)
(パタパタと部屋を飛び出す。)
(服につけたバッジが、心地よく鳴り響く。 帽子のピンバッジの中に、
FOT No.8と刻まれている赤いバッジがあった。)
「夏っちゃんなら、いっぱつで倒せるかも! 現実の戦いなら、
オレだって負けないのにな~っ。」
(FOT最年少の数馬は、小学4年生の小さな男の子。 茶色のふわふわした髪が可愛らしく、
廊下の朝日に揺れた。)
***
(白い靴が、一階に降り立つ。)
(聖は、ダイニングに向かう前に、裏のガーデンへ足をのばした。)
サクッ サクッ
(草の上を踏みしめると、緑の香りが心地よい。)
(ハーブに交じって、強い香りのバラたちが、競うように咲いているのが見える。)
(ガーデンの奥に、アンティークの門があり。 奥がローズガーデンに続いている。)
(多くのバラが生い茂り、閉じられた門の中は、枝々で隠され、見えなかった。)
(門の前に、黒の燕尾服に身を包む、細身の人影が立っている。)
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