Chapter5 『美しいもの』 5-8

[「可能性の話だもの。」]


「でも、ゼロじゃない。 君もそう思っているんだろう?」


***


(聖の言葉に、彩は一呼吸置いて、話し始めた。)


「良い?」


「分かっているのは、欠片が原因で、“闇”が発生するということ。」


「そして、“闇化”しなければ、欠片は取り出せない。」


「何がきっかけで、“闇化”するのか。」


「“闇化”を防ぐ方法は、どちらも、今のところ見いだせていない。」


***


「防ぐ方法がないのなら。」


「僕たちが取り出せば良いのさ。」


「欠片には価値がある。」


「取り出せさえすれば、利用することができる。」


「使い道を考えるのが、君の仕事でもあるだろう?」


[「・・そうね。」]


『欠片がほしいのは、私も一緒。 でも・・、もしも


夏樹君に関わっているのだとしたら・・。』

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