Chapter5 『美しいもの』 5-5
(電話の向こうで、真顔で言っているだろう晃の顔を想像し、彩は腹が立った。)
「話をそらさないで、別件だから。」
『この男・・っ、いつか思い知らせてあげるわ。』
***
「ふん。」
(晃は、電話を切ろうと、立ち上がった。)
キイッ
(同時に、話し声を聞いて、奥の部屋のドアから、こちらへやってくる足音がする。)
コッコッ
「晃君、僕に電話?」
「聖・・。」
(部屋に現れた聖からは、眩しい光が出ているような、強い気配があった。)
(朝日の射し込む部屋に、まるで部屋の灯りをさらに煌々と強くしたように。)
(一歩近づくごとに、白い皮靴の足元から、エネルギーが伝わる。)
「くすくすっ、彩君も相手が悪かったな、晃君がなびくはずがない。」
(晃の目の前に来ると、立ち止まった。)
「今日は、不機嫌だね。 昨日僕に付き合って、徹夜だからね。」
(聖は、眩しいほどの笑顔で、晃に微笑んだ。)
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