Chapter4 『不器用』 4-10

「さぁ~あね~・・。」


「からかってますね?」


「真剣だよ~・・僕は~・・いつでも~・・ぐぅ。」


「・・もう。」


(言葉の最後は、寝息になってよく聞こえなかった。)


『やはり聖様は、結界ができるまでは、夏樹様を現場から遠ざけておきたいと思って


らっしゃるのかな。』


『民間人を巻き込むリスクを、夏樹様には負わせたくないんだ。』


『誰かを巻き込めば、民間人に負担を負わせる。』


『それは、夏樹様が一番したくない事だから。』


(菖蒲は、白の方を向いた。)


「よかったです。 見つけたのが聖様で。」


「私たちは、国家機密組織・・。」


「もし誰かが見ていたら、記憶に触れなければなりませんから。」


(白はうっすらと目を開けた。)


「すぅ~・・、記憶を~・・操作すると・・。」


「消したい~・・部分だけじゃなくて~・・。」


「その人の大切な~・・記憶まで一つ・・無くすんだって~・・。」

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