Chapter4 『不器用』 4-7
「白・・。」
「あら、白君。 風邪ひくわよ。」
(夏樹の後ろから、彩も覗き込み笑った。)
「ここに居たんですか。」
(彩の後ろから菖蒲が進み出て、白のそばに駆け寄った。)
「んっ・・、起きて下さい。 白さん!」
(なんとか起こそうとするが、全く力が抜けて、白の身体はだらりとしていた。)
(名前のように、真っ白な服に身を包み。 所々に銀の装飾があり。
白く流れる柔らかな髪をしている。)
(白は細身に見えるが、菖蒲の力では起こせないくらい、菖蒲より長身だった。)
(こんなに揺り動かされても、全く起きる気配はない。)
(長く伸びた、左の足、腿の辺りに、FOT No.4と描かれていた。)
「菖蒲・・、放っておこう。」
「当分起きないと思うよ。」
(襟元に微かに汗をかく菖蒲を見て、夏樹はアドバイスした。)
「・・そうですね。 すみません、白さん。 通ります。」
(菖蒲は、また丁寧にその場に白を寝かせると。 一礼しながら白をまたいだ。)
「くすくすっ。」
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