Chapter4 『不器用』 4-2

(声にまどろむ葵の手首に、銀色のアクセサリーが光り。 FOT No.6と刻まれている。)


チリッ


(葵の動きに、アクセサリーが鳴った。)


「光・・? おはよう。」


(自分を見下ろしている光の両腕に挟まれ、葵は驚き目を覚ました。)


(薄紫の長くカールした髪と、同じ色の瞳が美しい。)


「朝から大胆ね?」


「・・もう少し寝てれば良かったんだ。」


(光は、いらだったように身体を起こした。)


「くすくすっ。」


「葵、また占いか?」


(ベッドわきの机の上に、カードが置かれていた。)


「ええ。 新しい街が決まったみたい。」


「そ。 俺はべつにどこだっていい。」


「どうせ、欠片を全て集めるまで、ここからは出られないんだ。」


「ここが嫌い?」


「いや。 葵は。」


「好きよ。」

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