Chapter3 『僕の家』 3-8

(菖蒲も、興味深げに彩の話に耳を傾けた。)


(三人の足取りは、軽やかに水面を進み、間もなく目的地が近づいた。)


「つまりね、特別な感情を持つ相手がそばに居ると。 いつも以上に


力が出たりするでしょう?」


「はい?」


(菖蒲はきょとんとした。)


「家族だったり。 好きな人だったり。」


「ん?」


「だから、聖君にとっては、夏樹君かもしれないけど。」


「他の人には、効果がないってことよ。」


「・・そんな事?」


「そんな事よ。」


「夏樹君が、風を操るせいかもしれないけれど。 その力が


まわりにも大きく影響しやすいみたいね。」


「そう感じない? 菖蒲君。」


「え、ええ・・確かに。 感じます。」


「辺りに夏樹君の温かな力が溢れてる。」


「夏樹君は、その影響力が特に大きいの。 そして、

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