Chapter3 『僕の家』 3-7
道の上はまるで、薄い水たまりのように。 波紋が広がった。)
(続いて、菖蒲の黒い皮靴が。 彩の赤いハイヒールが、緑の道へ降り立ち。
波紋を広げながら、3人の姿は、あっという間にもと居た場所から見えなくなった。)
***
「・・彩さん、さっきの噂だけど。」
「噂?」
(銀色に光る、水面のような道を歩き。 彩より先に、菖蒲が反応した。)
「・・また何か、エセ大臣殿に付きまとわれましたか? 榊殿もひと癖ありますからね。」
「僕のそばにいると、力が増すとか。 なんとか。」
(夏樹は怪訝そうな紺色の瞳で、彩の横顔を見つめた。)
(空間を移動する、水面のような道の中で、夏樹の頬は蒼白で。 透き通るほどだ。)
『心配事があると、体温が下がってしまうみたいね。』
「やれやれ。 気にすることないわ。」
「聖君の力に、皆、嫉妬しているだけよ。 権力者や能力者なら誰でも憧れる。」
「国への信頼を一手に集めているから。」
「? それが僕に関係してる?」
「皆、ちょっと誤解しているけど。」
「どういう事ですか?」
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