Chapter3 『僕の家』 3-5

『この子ったら、自分で意識しないうちに。 私のことも、本能的にどこかで警戒している。 


いくら仲良くなっても、国側の人間にかわりないものね。 


良い執事をつけたわね。 聖君も。』


「安心して、私はあなたたちの味方よ。」


「え?」


(菖蒲は不思議そうに、彩を見つめた。)


「存じておりますとも。」


「くすくすっ、良いの。 言ってみただけ。」


ガガッ


(正面玄関を抜け、朝の光の中へ歩き出す。)


***


「今日も良い天気ですね、夏樹様。」


「ああ。」


「風を感じるんじゃなくて? もう大分、広域結界も昨夜のうちに完成してきている


そうよ。」


「うん。 聖と晃さん、徹夜してたみたいだから。」


「夏樹君、空間移動は苦手のようだけど、菖蒲君の運転する


公用車でなら平気なのね? 揺れないから?」

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