Chapter3 『僕の家』 3-4

(言いながら、三人は、巨大な吹き抜けの玄関ロビーを通り。 正面玄関に向かった。)


(ロビーの中心は、多数の椅子が円形に並び、受付を待つ人々や

何やら商談している人々が居た。)


(来客者や、黒づくめの執事達など。 まだ、夏樹を遠くから見つめる無数の目線が

あったが、もうそれほど気にならない。)


『菖蒲が側に居る。』


『それだけで、落ち着いた。』


『菖蒲には内緒だけど・・。』


「曲がってるよ。」


(菖蒲のネクタイを、白い指でさし。 夏樹は微笑んだ。)


「すみません。」


「急いで来なくても、屋敷で待っていてくれれば良かったのに。


僕には彩さんが居てくれるから。」


「・・そんなっ。 来なくても良いみたいに、


言わないでくださいよ。 彩さんまで、私の仕事を取らないでください。」


「ははっ。」


「ふふっ、ごめんなさい。 しかられちゃったわね。」


「あっ、いえ、その。 本気ではありません・・。」


「分かっているわよ。 優しいのね菖蒲君。」

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