Chapter2 『窮屈な日常』 2-11

(その場に似つかわしくなく、まるで普段着の、着ざらしで寝起き。


どう見ても、綺麗と言われる服装ではないと思ったが、


そう言いながら笑う、深い紺色の瞳と、真っ白な肌の夏樹の笑顔は、彩も同感するほど、


美しかった。)


「おはよう、二人とも、夏樹君に負けないくらい綺麗よ。」


(彩は、二人にウインクした。)


「「恋してますから!」」


(二人は彩にサインを送った。)


(彩は夏樹を見つめたが、夏樹の視線は、フロアにいた大臣たちの一団に向けられていた。)


「・・残念ながら、恋のお相手は気づいていないみたいね?」


(微笑み、小さな声で、カスミとスミレに囁いた。)


「「///!」」


***


「おや、生命科学研究所の彩所長がおいでだ。 相変わらず見目麗しい。」


(一団の真ん中にいる、小太りの大臣がニヤついた。)


「この後の会議で、じっくりお話を聞けるでしょう。」


(隣に居た、スーツの男が大臣に耳打ちした。)


「側にいる子供は何だ?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る