Chapter2 『窮屈な日常』 2-6
「夏樹様、どちらへ?」
チンッ
(執事のうちの一人が、話しかけたので。 夏樹は早足でエレベーターを開いた。)
「尋ねる必要がある? 発信機がついているのに。」
(夏樹は、胸元のピンバッジを白い指でつついた。 執事達の威圧感に負けないように、
力を込めて、視線を投げかける。)
「くすっ、左様で。」
(黒いサングラスの下で、不敵に口元だけが笑った。)
ガガッ
(エレベーターのドアが閉まり、執事たちから夏樹を切り離した。)
「ふぅ・・。」
(エレベーターの個室の中で、思わずため息をつき、壁に背中を寄りかけた。)
『あれは、本部中にあふれている、国からの使いだ。』
『組織の円滑な運営のためと言いながら、けっきょくは、国の上の人たちが
僕ら能力者たちを見張っているようなものだった。』
『気にする事は無い。 やつらは、僕達のことが珍しいだけだ。 なんて、
聖は言っていた。』
『僕達も、やつらを役立てれば良い。 国家公認の能力者集団組織であるかぎり。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます