Chapter2 『窮屈な日常』 2-2

「ふむ。」


(千波は覗き込みながら、まだ起きない夏樹を見つめた。)


「すぅ・・。 すぅ・・。」


(寝息が聞こえるものの、蒼白な顔は、見るからに冷たそうだ。)


(千波は、紺色の前髪の間から、夏樹のひたいに手をあてた。)


「ん・・っ。」


(指先の下で、紺色の瞳が眩しそうに目を開けた。)


「冷た~いっ。」


「千波ちゃん!」


(驚いて身を起こす。)


「夏樹~v おはよv だめじゃない、ちゃんと寝なきゃっ。」


「おはよう。」


「あ~ぁ、服もそのまま?」


「ご飯の前に、お風呂に入りなさい。」


(千波は、かわいいエプロンをかけていた。)


「ん。 聖は帰って来た?」


「もちろん。 わたしの朝ご飯が食べたいからv」


「くすくすっ、そうか。」

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