Chapter2 『窮屈な日常』
Chapter2 『窮屈な日常』 2-1
チュンチュンッ チチチッ
(鳥の声が聞こえる。)
(薄いカーテンを閉めた窓から、明るい朝の日差しが
夏樹の部屋に射し込んでいる。)
(ベッドがあるにもかかわらず、ソファーに毛布をかけて横になっている夏樹は、
まだ眠っていた。)
(だらりと垂れた色白の手の先に、床に滑り落ちた一枚の紙は、
昨日の夜眠るまで読んでいた、風見市の資料だった。)
カタンッ
トントンッ
(部屋を歩く、軽快な足音がある。 いつの間にか部屋には、誰かがいた。)
シャッ
「んっ、もう。 夏樹ったら、まぁたソファーで寝て。」
(カーテンを勢いよく開けながら、千波はソファーの上の寝顔を見つめた。)
「こんなに明るいのに、まだ起きないなんて。 また夜更かししたなっ。」
(腰に手をやり、怒ったように部屋の真ん中に立つ。 朝の光を浴びて、
太陽のような元気にあふれていた。)
(夏樹と良く似た、短い髪と顔立ち。 ただその肌は、健康的に赤味を差し、
髪と目の色は、まったく違って明るい茶色だった。)
(ポップでカラフルな服に、クローバーの小さなヘアピンを髪にとめていた。)
「どれどれ・・。」
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