Chapter1 『はじまりの夜』 1-8
「はっ。」
(すぐに、ピンときた。)
[「私の恋人。 あなたのナイトに。」]
プッ
(通信が切れ、パソコンが初期画面に戻った。)
(モニターには、Fの文字を象った鍵のような紋章が写し出され。
鍵の両脇には、赤い翼。 紋章の下には、金色の文字でFOTと刻まれていた。)
「Fragment of Time・・。」
(夏樹は思わず、見慣れた言葉をかみしめた。)
(パソコンが置かれた、机の上には、
同じ紋章が描かれた小さなピンバッジが置いてある。)
(ピンバッジには、FOT No.3と刻まれている。)
(おもむろに指先を伸ばし、持ち上げた。
ピンバッジは、夏樹の真っ白な手の中で光った。)
『通称、FOT。 時の欠片と呼ばれる、国家機密組織。』
『ここは、その本部で。 僕のもう一つの家だった。』
「・・僕がオフラインにしていても。 あいつがオンラインなら、
意味ないな。」
「ふぅ。」
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